一時、話題になったこの言葉「母源病」。
昨夜、またこの言葉をかみしめていました。
考えるとどんどん辛くなり、昨夜は「戦国自衛隊」に逃げました。
塾の中3の生徒のSちゃん。
入試直前の今になってしばらくおさまっていた暴言が出てきました。
その荒れきった言葉は回りの友達も皆、退いてしまうほどです。
1人の男子は驚いたようなあきれたような顔で「悪魔・・」と言っていました。
学校・友達・先生・英語・犬・・・
対象はそのあたりが多いのですが、極めるところ「おかあさん」です。
おとうさんは好きなのだそうです。
読書家で、時々私の本も貸したり、繊細な部分で共鳴できることもあります。
だからこそ、その暴言や荒れた心が気になって、
「あれだけの本に感動できるSちゃんだから、
お母さんをもう少し優しい目で見てあげられないかしら?
と、塾の終了後にかけた言葉も、
数倍のトーンでお母さんをののしる言葉によってかきけされました。
「私が選んだ志望校はダメと言って変えさせておいて、
『自分が決めた学校だからがんばりなさい!』とか言いやがってアンチクショウ!」
クソッ!死ねっ!」
万事がこの調子です。
お母さんはとてもまじめながんばりやさんです。
3人の子どもたちには文武両道身につけさせたいという方針のようで、
小学校からピアノ・スポーツクラブ・塾・書道・・・
ついにはお料理の教室まで通わせていました。
長女の彼女にはことさら期待し厳しかったのだと思います。
2歳下の長男はそんな暮らしの疲れが疾患となって体に表れ、少し間引いてもらえました。
末っ子はそんな姉兄を観察し、それなりに上手く立ち回っているように思います。
お母さんが我が家に相談に見えるときは、
常に「決定事項」とご自分の「主義主張」を高々と掲げて見えます。
自分は母としてちゃんとやっていることをまず主張されます。
そのときお父さんとの会話をこう話されていました。
母 「どうして(子どもの教育に対して)何も意見を言ってくれないの?」
父 「君に何か言ったら『火に油を注ぐ』ことになる」
ま~るいおっとりした感じのおとうさんです。
Sちゃんの心にはお母さんに甘えたい気持ちがあるのです。
「弟は叱られない。」「妹は甘やかされている。」
度々口にする言葉です。
目先の入試とかそう言う問題ではなく、
もうじきウチの塾も卒業していくSちゃんに、
私は何かしなくてはいけないのではないだろうか?
度々自問しつつ、おとうさんでさえ避けようとするこのおかあさんの、
正しい方向とは思えないバイタリティーにどう対処したものか?
はたして自分にそんな力があるのだろうかと考えてしまいます。
お父さんを呼びだしてお話ししようか・・・とも思いました。
でも、これはよけいにこじらせそう。
第一、家庭の問題にどこまで介入してもいいものなのか、そこも難しいところです。
もしかしたら、あのおかあさん、本当は、
自分自身がおとうさんにビシッと言ってもらい、しっかり抱きしめてもらいたいのでは。
「君も子どもたちもありのままでいいんだよ。」って。
よけいなことまで考えてしまいました。
入試・学年末試験を2週後に控え、
今は実質的な「勉強を教えること」に集中しなければいけないのですが・・・