1月も楽しい読書ができました。
読んだ本の数:11
大切に抱きしめたい お守りのことば (リベラル文庫)の感想
「ていねい」「暮らし」などの言葉が浮かぶ松浦弥太郎さん。表紙の「お守り」カバーの「くすりばこ」の言葉に惹かれて読んでみた。これは!と思って付箋を貼りつつ読んだが、覚えておきたい言葉ばかり。特に自分を戒めたいページには赤い付箋を貼った。「これは私はできている」と思うページも結構多数あり、自分を知り認める読書にもなった。年明け1冊目にふさわしい本を選んだ
読了日:01月03日 著者:松浦弥太郎
一次元の挿し木 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
ヒマラヤ山中で見つかった200年前の人骨と、4年前に失踪した妹のDNAが一致した。そこから始まる遺伝人類学や新興宗教も絡んだミステリー。またひとり科学の分野から小説を著す楽しみな作家が登場した。ストーリー展開が早く、謎が深まりどんどん読み進めてしまう。次の作品もまた読んでみようかと思う。
読了日:01月03日 著者:松下 龍之介
鹿男あをによしの感想
ずいぶん前にドラマをちょっとだけ見て、鹿が話すという奇想天外ぶりに見るのをやめた。それでも人気の作品ということで本を買ったが読まずにいた時期が長い。読んでみてなんとおもしろいこと!しかも、おもしろさの陰に優しさや真っ当さがうかがえ、最後には甘酸っぱい感動まで味わった。まだ、6冊くらいしか読んでいない作者だが、1冊読むごとに少しずつ引き付けられ、この1冊で「お気に入り」に昇格した。
読了日:01月10日 著者:万城目 学
『世界名作劇場』の家と間取りの感想
テレビ放映されていた「世界名作劇場」は見ていなかったが、子供のころ「若草物語」「少女パレアナ」「赤毛のアン」「足長おじさん」など多くの原作に親しんでいた。その舞台となった建物の外観図や間取り図を楽しく見ることができた。洞窟・寄宿舎・納屋と一体の農家などの家もあったが、ヨーロッパやアメリカの豪邸が多い。確かに主人公たちは皆、富裕な生活から突如転落したり、逆に身寄りもなく貧しい状況から幸せをつかんだりだったっけ。動画の一場面や実際の建物写真も豊富で、物語の世界に誘いこまれるような一冊だった。
読了日:01月12日 著者:ちばかおり
私はスカーレット (5) (小学館文庫 は 5-11)の感想
文庫本4巻まででかなり待たされた5巻6巻がようやく出た。目的のためには手段を選ばないスカーレットの性悪な性格と逞しさは、この巻でさらに拍車がかかる。林真理子さん、ちょっと文章が雑ではと思わなくもないが、それだけにすらすら読めて、物語のおもしろさだけが凝縮されている。いよいよレット・バトラーとの攻防が始まりそうな最終巻へ。
読了日:01月12日 著者:林 真理子
私はスカーレット (6) (小学館文庫 は 5-11)の感想
最終巻、読み終えてしまった。遥か昔に本家本元の最後の部分「明日、タラへ帰ろう」を読んだときに感動し「私も強く生きなければ」と健気に誓ったのを思い出した。今回はそれとは少し違うが、ああ、おもしろかった!強く逞しくあまりにも自分に正直なために、性悪とも思えるスカーレットにグイグイ引きこまれてしまった。最後に添えられたスエレン、メラニー、プリシーのひとりがたりも、軽いけれどもなかなかおもしろかった。
読了日:01月13日 著者:林 真理子
万感のおもい (文春文庫 ま 24-8)の感想
まずおもしろかった。そして、この作家がますます好きになった。「人にやさしく、自分にもっとやさしく」なるほど。直木賞の「待ち会戦記」ああ、そうだろうな。伊坂幸太郎さんが候補に挙がるのを拒否したことを思い出した。クスッと笑う内容のそこここに、柔らかくものを見る目、それを情感こめて表現する作者の力を感じた。月毎の色を決めた「色へのおもい」がよい。色がないと思われる雪や木枯らしの中や、鮮やかと思われる昼間より夕暮れに豊かな色を見つける作者の感性が好きだ。
読了日:01月19日 著者:万城目 学
さよならジャバウォックの感想
ハラハラしながら一気に読んでしまった。おもしろかった。前頭葉に取り憑くと、その人間の抑止力が利かなくなり、攻撃的暴力的になるというジャバウォック。もし、私に取り憑いたら私からはどんな「本性」が現れるのか。自己中心で乱暴な言動を続ける彼の国のリーダーたちや、紛争地域の首謀者たちには、むしろ「ジャバウォックのせい」と言えたらまだ光が見えるのだが。飄々とした絵馬と破魔矢の若夫婦の存在が、全編通してオアシスのようだ。破魔矢の正体は途中から想像できたが、嬉しい結末だった。
読了日:01月27日 著者:伊坂幸太郎
きみをわすれない ぼく モグラ キツネ 馬 そして嵐の感想
カラーページが増え、前作に引き続き心に響く言葉がたくさん。《ぼく「さきがみえないよ」馬「つぎの一歩はみえるかい」ぼく「うん」馬「ならば、ただ一歩すすめばいい」》モグラが言った言葉「カルペ・ディエム」は映画「今を生きる」の中でもロビン・ウイリアムスがささやいていた。今、この時、仲間、そして自分自身を大切に。著者の思いが伝わってくる。離ればなれになってしまったぼくと動物たちが再会する場面のたくさんのデッサンページに胸が熱くなった。読む人に勇気を与える名作だ。
読了日:01月29日 著者:チャーリー・マッケジー
ぼくのおじいちゃんの感想
時計職人だったけれど今は引退して悠々自適の生活を送るおじいちゃん。ご近所のライトさんは会社でお仕事を続けている。ふたりの1日を、時間を追ってぼくの目を通して比べている。夫の退職前と退職後の暮らしの違いか。いや、夫は「ぼくのおじいちゃん」のような幅広い趣味や楽しみは持っていないけれど。どっちの暮らしもいいのじゃないかな。ポルトガル生まれの作者。赤黄緑と原色ばかりの色使いが斬新だが、どの色も目に優しい。大人にも向く絵本だと思う。
読了日:01月29日 著者:カタリーナ・ソブラル
毎日読みたい365日の広告コピー(ライツ社)の感想
明石市の小さな出版社ライツ社。まず、その創業理念に引き込まれた。write,right,light書く力でまっすぐに照らす。「本とは、凍りついた心を解かす光」嬉しくなるようなきれいな色の紙で月毎のページが綴られている。さらには表紙にまで細かい心遣いがある。内容は365日毎日の季節や行事にふさわしい名コピー。商品の宣伝など人の耳目を集めるためのコピー文の中に、こんなにも傑作があったのかと驚かされた。心がホワッと暖かくなるもの、クスッと笑ってしまうもの、「あるある!」と納得してしまうもの。読んでよかった。
気になったコピー
《あなたの思い出す私の顔が、いつも笑顔だといいな。》《第三次世界大戦が、テレビゲームでありますように。》《帰省ラッシュ。それは親を思う子どもたちの行列です。》《「残りもの」はきらい。「最後のひとつ」は好き。》《親になってみたら、「親バカでいいや」と思ってしまいました。》《主婦にも定年をください。》《帰省のひとはすぐにわかる。なんでもない景色を見る目がやさしい。》《地震は「想定」ではなく、「前提」です。》《大きくなったら、小さなことに気づく人になってね。》《花を好きなのは母親似。母を好きなのは父親似。》
読了日:01月31日 著者:WRITES PUBLISHING