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2024年5月に読んだ本

火星に飛び、ゴリラと戯れ、そして吉田篤弘さんの傍らで静かにひとやすみ、そんな5月の読書でした。来月は何を読もうかな。積読本の山が崩れないうちに。(^^;)


読んだ本の数:6


78(ナナハチ) (小学館文庫 よ 5-1)78(ナナハチ)
風邪の微熱がなかなか下がらない。ならば、読書をと読みかけのSF小説や歴史物の本を開いたが、なぜか進まない。こんな時は・・買い置きの吉田篤弘。彼のすべての著作を集めるつもりの専用書棚から、未読の一冊を選ぶ。「78」なんと心地よい。柔らかい毛布にくるまれ、冷たすぎない水枕に頭をのせたよう。BGMは作中にも出てきたベニー・グッドマンを、ごく押さえた音で。それぞれがそっと繋がる短編集。時の流れにゆったりと身をまかせていたらいい、そんな余韻に包まれた。
読了日:05月06日 著者:吉田 篤弘


火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)火星の人〔新版〕(上)
伊与原新「宙わたる教室」を読み、無償にこの本が読みたくなった。火星にひとり残されたマーク・ワトニー。彼の知識の豊富さ、強い精神力もさることながら、悪ガキのような冗談いっぱいのログに笑わされた。それがあってこそ生き残れたのかな。彼の生存を知ってからの地球の技術者たち、結果的に彼を置き去りにすることになってしまったクルーたちの心理状態にこちらまで胸がつまる。ワクワク楽しく読み進め、ああ、そこで終わるのか。下巻へ。
読了日:05月10日 著者:アンディ・ウィアー


雲と鉛筆 (ちくまプリマー新書)雲と鉛筆 (ちくまプリマー新書)
「それも悪くない」感想と言えるか言えないか、読後に頭に浮かんだ言葉だ。自分が望んでいたのとは少し違う物・人・状況・・それらを「まぁ、それも悪くないよね」と受け入れられるような心境になった。AかBかでわりきれない曖昧さ、濃さの違った鉛筆で作る数限りない鼠色。急行で行くより鈍行で、いや、むしろ徒歩で。壊れて動かないジューサーにも、動かないからこその美に気付く。吉田篤弘さんの世界でホッと一息つき、また、元気に歩き出す。
読了日:05月13日 著者:吉田 篤弘


火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)火星の人〔新版〕(下)
ああ、おもしろかった!ラスト数ページはハラハラドキドキ、そしてジーンと目頭が熱くなった。「オデッセイ」は観ていないのだが、「アポロ13」や、NASAのドキュメンタリー映像を思い出した。マーク・ワトニーはもちろん、他のクルーもがんばったが、地上で見守り続けたミンディに拍手を送りたい。ちょうど、wowow「ザ・プラネッツ」で火星の映像を見た。さらにミンディのように、惑星探査を地上から見守るエンジニアたちがいることも知った。最後の「人間は助け合うのが本能」その言葉を信じたい。笑いと共に、胸の熱くなる読書だった。
読了日:05月22日 著者:アンディ・ウィアー


吉田篤弘自選短篇アンソロジー「十字路のあるところ」吉田篤弘自選短篇アンソロジー「十字路のあるところ」
敬愛する吉田篤弘さんの「自選アンソロジー」これは買わずにはいられないと購入した。届いたのはペラペラバラバラの7つの短編だった。専用のブックジャケットに自分で綴じるというのは知っていたが、まさかこんなにペラペラバラバラだったとは。しかもブックジャケットも合わせるとずいぶん高額になる。でも、このままでは・・と、ブックジャケットを求め綴じてみると、その作業も楽しく、素敵な本ができあがった。すべて既読の短編が、まるで「はじめまして」のように楽しく心を溶かしてくる。さすが本人の選んだ短編集と納得した。
読了日:05月29日 著者:吉田篤弘


ゴリラの森、言葉の海 (新潮文庫)ゴリラの森、言葉の海 (新潮文庫)
ゴリラにも山極寿一さんにも魅力を感じ、『「サル化」する人間社会』に続いて読んだ著者の2冊目。合唱するゴリラ、喧嘩の仲裁をするゴリラ、人間の新生児の半分の体重で埋まれ200キロにも成長するゴリラ、前半を特に楽しく読んだ。小川洋子さんとの対談集で言葉があることのメリット・デメリットを考えさせられた。先日、ヨチヨチ歩きの孫に、やはりヨチヨチ歩きの外国の幼児が近づいてきた。まだ言葉のない世界で、ふたりは仲良く遊べたような気がする。
読了日:05月31日 著者:山極 寿一