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「明日の記憶」

荻原浩著(光文社)

50歳で若年性アルツハイマーが発病。
次第に進行する病状、仕事・家族について1人称で語られる小説。

本を手にするまではノンフィクションかと思っていたが、
病気についての記述や男性が仕事に関して持つ思いは、
かなり現実に近いものではないかと思う。

「自分がなくなる」までの心の葛藤が描かれている。
ラストではこんな夫婦でありたいものと願ったが、
ここから、本人の戦いから、妻の戦いへと移行していくのだと思う。

23年間、母の手で生かされてきた父が今年旅だった。
亡くなる1,2年前にやはりアルツハイマーと宣告された。
私達子どもにとっては「だからといってどう変わるの?」という思いだったが、
一番ショックだったのはやはり妻である母だったようだ。
幸い、アルツハイマーは初期の段階のままで進行せずに最後を迎えたが、
あのときの母の悲しみがこの本を読んでわかるような気がした。

中年になればよくある「ほらほら、あの人・・・」
もしや・・・。そんな恐れを抱くと共に、
1日1日を生ききろう・・・そう思った。
できたら楽しく・・・ね。