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2018年11月に読んだ本

読んだ本の数:7
読んだページ数:1891

当然のことながら、選ぶ本の傾向が年齢と共に変わっていくなぁと感じる。恋愛関係の本にはトンと手が伸びなくなり、人生を振り返る風の本が多くを占めるようになった。そして、私にとって本は自分で処方箋を書いた薬のようなもの。背筋を伸ばしたいときに手にする浅田次郎さん。今回の「月島慕情」もその役目を果たしてくれた。切ないけれど。


後悔病棟 (小学館文庫)後悔病棟 (小学館文庫)感想
女医がふと手に入れた聴診器を、末期癌患者の胸に当てると心の声が聞こえてくる。皆、様々な後悔があり過去のある時点に戻り別の人生を歩んでみる・・・あまりにも荒唐無稽な設定だが、それに反し、どこか現実味を帯びた善悪両面の人の姿が浮かび上がる。第4章friendなど息が詰まるようだった。映像化したら面白そうな作品だった。
読了日:11月03日 著者:
垣谷 美雨



月島慕情 (文春文庫)月島慕情 (文春文庫)感想
読後、「ああ!読んでよかった!」と心から思える本にはどれくらいの割合で出会えるだろう。この本はその中に間違いなく入る1冊だ。どれも切ない結末だが、それぞれの主人公の選んだ道に拍手を送りたくなる。人としての節度ある主人公の意気に触れ、熱いものが胸に満ちる。「冬の星座」のおばあちゃんの一生は見事!おばちゃんの生家とされる「八王子千人同心の家」を訪ねた日に、偶然、この話を読んだ。おばあちゃんに呼ばれたのか?感慨深い。「シューシャインボーイ」の菊治さん「月島慕情」のミノさん、みんなに背筋を伸ばしてもらった。
読了日:11月06日 著者:
浅田 次郎


月の砂漠をさばさばと月の砂漠をさばさばと感想
9才のさきちゃんとお母さんの毎日のおしゃべり。大好きな北村薫さんの文章は優しく、おーなり由子さんの絵もあたたかくかわいらしい。シングルマザーで大変なはずのお母さんの、生き生きとした受け答えが嬉しい。さきちゃんは絶対いい大人に成長する。さばの味噌煮が食べたくなった。
読了日:11月09日 著者:
北村 薫



痩せ神さま 大江戸落語百景2 (朝日文庫)痩せ神さま 大江戸落語百景2 (朝日文庫)感想
これは確かに落語だ。これは誰、あれは誰と好きな落語家の声音を思い描きながら読んだ。中でも「牛の医者」「忠犬蔵」「ちゃらけ寿司」は楽しめた。
読了日:11月11日 著者:
風野真知雄





母のあしおと (単行本)母のあしおと (単行本)感想
先立たれた妻道子の姿をことあるごとに追い続ける夫和男。いい夫婦だったのだろうな、いい奥さんだったのだろうな道子さんは、という思いで読み始めた第1章は、長男の嫁・道子の姑らの登場で大きく変わっていく。そうだろうな。そんなにいいことばかりのはずはないし、長い人生、自身の邪な心を持て余し、まわりを傷つけるエピソードだって少なからずあるはず。いつか私のことも、色々なことはチャラにして、温かい気持ちで偲んで・・な~んてね。没後から時代を遡り、家族それぞれの視点で道子の一生を描くという手法がおもしろかった。
読了日:11月14日 著者:
神田 茜


三丁目の夕日 (小学館文庫)三丁目の夕日 (小学館文庫)感想
映画の雰囲気のまま、映画にはなかった登場人物たちも含めて12の短編が続いていく。あらすじはわかりやすく先が読めるものばかりだが、その安心感が心地よい。生まれ育った場所と年代にぴったりと重なり、良し悪しはともかくこの空気から出たくなくなる1冊だった。子供の頃、ワクワクして眺めたお化け煙突。懐かしくてたまらない。
読了日:11月18日 著者:
山本 甲士



そして生活はつづく (文春文庫)そして生活はつづく (文春文庫)感想
映画やドラマや歌で興味のあった星野源さんは、どんな本を書いているのかと初めて手にした1冊。元は雑誌の連載だったそうだが、そのように少しずつ読んだ方がよかったかもしれない。飾らぬおしゃべりは面白いところもあったが、やっぱりテレビ・ラジオで楽しませてもらうわ~というのが正直な感想。
読了日:11月22日 著者:
星野 源