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2024年2月に読んだ本

新選組」月間、とでもいうか、2月は浅田次郎さんの新選組の本ばかり読んでいまし

た。ご隠居然とのんびり暮らす夫に、ある日「私と一緒に闘ってほしい」と言ってしま

いました。何と闘うのか?物価高の中、年金で暮らす日々のやりくりか?夫が結局やめ

られなかった喫煙か?さぁ、私自身にもなんだかよくわからないのだけれど「それがし

と共に闘こうてはくれぬか!」と息巻く妻。ああ!新選組の読み過ぎだ。心が俄侍に

なっている、と苦笑いし少し優しい本を読み始めました。でも、本音かも・・。


読んだ本 4冊

一刀斎夢録 上 (文春文庫 あ 39-12)一刀斎夢録 上
新撰組三番隊長であり大正時代まで生き延びた斎藤一近衛師団中尉に過去や剣について夜毎語る。彼の語る近藤・土方・沖田・永倉・吉村そして少年隊士鉄之助がいい。史実のままとは思わないが、それぞれに胸が熱くなるところは「天切り松」シリーズを思い起こす。「壬生義士伝」を読み、「一刀斎夢録」に飛んでしまったが、下巻に行く前に「輪違屋糸里」を読まねば。新撰組とは離れるが、明治天皇崩御に際し、殉死した乃木希典夫妻の記述には改めて感慨深かった。
読了日:02月10日 著者:浅田 次郎


輪違屋糸里 上 (文春文庫)輪違屋糸里 上
尊皇攘夷の旗のもと、京都へ集められた浪士の中、近藤・芹沢両派がそのまま居残り、壬生浪士となりやがて新撰組へと変貌していく様を、関わりある女たちの目を通して描く。隊士に思いを寄せる島原の女たちの一途な思い、屯所で世話をする女たちの母のような姉のような思い、それらを通して芹沢・近藤・土方・沖田・永倉・斎藤・平山・平間・・それぞれの姿が生き生きと動き出す。憧れの目で見ていた土方の非情さに触れ、平山・平間の思わぬ優しさに触れ、下巻へと進む。
読了日:02月16日 著者:浅田 次郎


輪違屋糸里 下 (文春文庫)輪違屋糸里 下
読み終わって「男気」(おとこぎ)という言葉が頭に浮かんだ。新選組浪士にではなく糸里・吉栄・おまさ・お勝に対して。ちなみに辞書によると「男気=困っている人を見過ごせない・犠牲を払って身をつくす」などとあり「女気=しとやか・優しい」と。う~ん・・。「侠気」の字がいいか。切なく辛い状況の中、いづまいを正し顔を上げて生きる芸妓たち、人としての真っ当で温かい目を失わない屯所の妻たち。こちらまで背筋が延びる思いがした。新選組はともかく、女たちの話はほぼ創作であろうが、よい本を読んだ。糸里・吉栄の後日談が嬉しい。
読了日:02月21日 著者:浅田 次郎


一刀斎夢録 下 (文春文庫 あ 39-13)一刀斎夢録 下
新選組三部作を読み終えた。「壬生義士伝」では男同士の友情や家族への心情に胸打たれ、「輪違屋糸里」では女たちの心意気に背筋の延びる思いをした。本作では斎藤一の死生観や剣についての語りに引き付けられながらも、読むのが最も苦しかった。中でも鉄之助との再会と最期の場面では、予想していたものの辛かった。創作の部分が多いかもしれないと思いながら、浅田次郎さんのストーリーテラーとしての力量をあらためて感じた。
読了日:02月29日 著者:浅田 次郎