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2017年12月読書記録

読んだ本の数:6
読んだページ数:1689
ナイス数:153

善人長屋善人長屋感想
実は全員が裏家業持ちという「善人長屋」。そこに正真正銘の善人加助が加わり騒動が・・・。はじめのうち、加助は隠密同心の仮の姿に違いないと踏んでいたが、大ハズレだった。困っている人たちをチームプレイで助けていく様は、まるで必殺仕置き人のよう。義理人情に篤く心優しい悪党集団は、実は呼び名通りの善人ぞろいだった。初めて読んだ西條奈加作品。読み心地の良さから離れがたく次は「金春屋ゴメス」へ!
読了日:12月06日 著者:西條 奈加

金春屋ゴメス金春屋ゴメス感想
人間が月に住めるという未来、関東東北の間に作られた「江戸」という鎖国国家が舞台。日本から江戸への入国は1度きり、1度出た者は再入国は許されない。何とも奇想天外な発想が面白かった。恐ろしい怪獣のごとき奉行金春屋ゴメス(本名馬込すずちゃん!)とその手下たちの活躍を楽しんだ。もう少し江戸の暮らしに浸りたいとも思ったが、そんなのんびり楽しいばかりの場所ではない。「日本」の最新医療を拒み、現代では考えられないような恐ろしい刑罰など、「江戸」存続の厳しさも垣間見た。続編も読んでみたい。
読了日:12月11日 著者:西條 奈加

生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉感想
亡くなられる半年前の1ヶ月にわたるインタビューをまとめた、日野原先生からの最後のメッセージ。近づく死が怖くはないのか、それが一番知りたかった。先生も「怖い」と。しかし、それは本当の自分を発見することにつながり、また、大切な人々は亡くなってからこそ身近に感じるとも。キープオンゴーイング(前進し続ける)とエンカウンター(出会い)の2語、そして、「感謝」の言葉を何度も何度も繰り返して、先生は旅立たれた。
読了日:12月11日 著者:日野原 重明

文豪ナビ 夏目漱石 (新潮文庫)文豪ナビ 夏目漱石 (新潮文庫)感想
吾輩は猫である」「坊ちゃん」はしっかり読み楽しんだ記憶があるが、どうも他の作品は私には理解しがたく、それ以前に読んだ作品も多くないので、ナビの力を借りようと手にした。斉藤孝さんの「声に出して読みたい夏目漱石」には納得。島内景二さんの「評伝」で少し漱石に寄り添う気持ちになった。「近代化の弊害をどこまでも苦しんでくれる人」という評は、なにか現代にもつながるように思える。現代に漱石はいるのか?森鴎外との比較もおもしろかった。近く神楽坂を訪ねる予定があるので、漱石ゆかりの場所を歩いてみたい。
読了日:12月13日 著者:

箱根駅伝 ナイン・ストーリーズ (文春文庫)箱根駅伝 ナイン・ストーリーズ (文春文庫)感想
同窓の夫と、毎年沿道から母校の応援をするのが、我が家の一大イベントとなっている。この本に登場する選手や監督の名も馴染みが深く、夢中になって読んでしまった。もはや、学生の部活動の域を超える巨大行事の陰にあるドラマに、時に胸が熱くなり、そうそうそうだったと懐かしく思い出したり。2週間後の箱根駅伝が一層楽しみになったが、今頃各大学の選手も監督もどんな思いでいるのか。ちょっと胸が苦しくなる。
読了日:12月18日 著者:生島 淳

三鬼 三島屋変調百物語四之続三鬼 三島屋変調百物語四之続感想
亡くした人との再会を願う切ない想い、食べることさえ困難な貧困、娘の命に代えても守りたい身代、人の心に住み着いた鬼がうごめく。そんな辛く哀しい3編と対照的に愛嬌たっぷりな怪ひだる神の話には心が和む。人のよい房五郎夫婦がなんともいい。心を寄せる若先生との別れに素直に涙を流せるようになったおちか。勘一も気になるが、飄々とした富次郎のこれからの活躍も楽しみだ。
読了日:12月30日 著者:宮部 みゆき