今日もブログ日和

犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

20023年10月に読んだ本

図書館に予約していた本が続々と順番が来て、8冊中5冊が図書館本。なるほど多くの人が待っているのもよくわかると思えるよい本にも数冊出会えた。今月も図書館で評判の本の順番が来そうだ。その合間を縫って、大好きなクラフト・エヴィング商會の本を無性に再読したい気分。読書の秋到来。

 
読んだ本の数:8


ちひろの昭和 (らんぷの本)ちひろの昭和 (らんぷの本)感想
「美しいもの、可愛いものがほんとうに好き」といういわさきちひろさん。手作りの色鮮やかなワンピース類の写真も含め、おしゃれで生き生きとしたいわさきさんが感じられた。明るく優しい色彩の絵に、一人息子猛さんの文も重ね、昭和の暮らしが懐かしい。愛らしい子供たちに会いに、記念館をぜひ訪ねたいと思う。
読了日:10月02日 著者:竹迫祐子,ちひろ美術館


笑い三年、泣き三月。 (文春文庫)笑い三年、泣き三月。 (文春文庫)感想
作者の「かたばみ」に感動し、同じ時代を描いた本作へ。「かたばみ」が戦中戦後の家族の物語なのに対し、こちらは家族も家もなく戦後の浅草で生きていかなければならない寄せ集めの集団。漫才師善造、ストリップ嬢ふう子の愚鈍とも見える温かさ優しさ、孤児武雄のいたいけなさが胸を打つ。食べることで精一杯な時、自分の進むべき道を探って生きる人々が皆、愛しい。「よこまち余話」「茗荷谷の猫」「化物蝋燭」の不思議な静けさや芳しさと、また違った勢いのある木内作品の魅力に触れた。次は新撰組物か。木内昇、ずっと追っていきたい作家だ。
読了日:10月03日 著者:木内 昇


本を守ろうとする猫の話本を守ろうとする猫の話感想
速読やあらすじだけを追う読書は、一番大切なものを逃していると思う。そして「本離れ」という言葉を疑うほど、日々たくさんの本が生まれている。自分の心に響く作品や作家を見極めて、有限な読書時間を楽しみたい。時には「自分には合わなかった」と途中でやめてもいいのではないか。そんなことを思わせる作品だった。最後まで読んだが、私には合わなかった。
読了日:10月11日 著者:夏川 草介


こんな噺家は、もう出ませんな 落語[百年の名人]論こんな噺家は、もう出ませんな 落語[百年の名人]論感想
子供の頃から60年近く落語好きな私にとっては、懐かしい名前が次々登場しワクワクした。明治時代の名人はもちろんわからないが、圓生志ん朝・小さん・・好きな噺家のエピソードやまくらは特に嬉しかった。また、死の3月前、高座で言葉を失った文楽師匠が「勉強し直してまいります」と言って楽屋へ戻った有名な話は、今更ながら胸を打つ。本書でも高評価の小さん・小三治師匠の流れを継いでいる噺家の高座をよく聞きに行く。手元にある好きな噺家さんたちの音源も含めて、落語をこれからも楽しんでいきたい。
読了日:10月14日 著者:京須 偕充


最悪な未来 キミの行動が未来を変える!最悪な未来 キミの行動が未来を変える!感想
タイトルと絵に目を引かれ、図書館の子供の書架から借りた。各項目、こうならないためにどうしたらよいかが示唆されている。自然災害・環境問題、宇宙や病気のことなどは認識していたものも多いが、テクノロジーの項目では知らなかったことも学べ、読んでよかった。メタバース(仮想現実)から出られない人、シンギュラリティ(AIの知能が人類を越える)時の問題、クローンやサイバー攻撃など、SF小説や映画の中で見るできごとが、現実に起きつつあるようだ。表紙の言葉通り「キミの行動が未来を変える!」そうあってほしい。
読了日:10月17日 著者:

 
西遊記〈上〉西遊記〈上〉感想
昔話のレベルで親しんでいた「孫悟空」。大人になり中島敦「わが西遊記万城目学「悟浄出来」を経て本書に。二段組みの長編だが、次から次へと飽きることなく読み進めたのは作者の腕のなせる技か。疑うことを知らない三蔵法師、そんな師を慕う純真な孫悟空、地味だが真心ある沙悟浄、気高い白馬、まあ猪八戒もそれなりに、読み終わる頃は皆大好きになった。襲いかかる妖怪たちにもそれぞれ繋がりのある生い立ちや事情があることもわかった。そんな妖怪たちにも温かく再生の道を示す観音様に手を合わせたくなる。おもしろかった。
読了日:10月22日 著者:平岩 弓枝


存在のすべてを存在のすべてを感想
4才で誘拐され、3年後に戻ってきた子供の空白の3年間。その真相を突き止めようとする新聞記者と、関わりのある画商を中心とする長編だったが、一気に読んでしまった。作者に関する知識も全くなく、なぜこの本を読もうと思ったのかわからないが、自分を誉めたいような選択だった。刑事や記者の事件の本質を見極めようとする執念、写実画家の作品に対する情熱、疑似親子の深い愛情、全てに心が揺さぶられた。よい作品に出会えた。
読了日:10月25日 著者:塩田 武士


マリエマリエ感想
「恋愛がしたいから」と夫から離婚を切り出され、離婚後の婚活、若い恋人・・年齢も含め、これは私の読む本ではないなと思いながら読み始めた。しかし、思いの外、物語に入り込め一気に読んでしまった。まりえはかなり恵まれた女性であるとは思いながら、結婚について一緒に考えてしまった。恋愛をそのまま保っていたければ結婚という形には疑問が残るし、結婚にはそれなりの意味があるようにも思う。事実婚と呼べるのか、マキさんの物語を読んでみたい。どんな悲しい経験で結び付いているのか想像してしまう。40才のまりえの人生はまだ長い。
読了日:10月31日 著者:千早 茜