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2022年11月に読んだ本

今月はコロナ騒動もあり通常とは違った慌ただしい月でした。読んだ本も6冊。普段たくさんの本が読めるのは、それだけ自由になる時間が豊富だったのだと改めて思いました。そして、静かに本を読む時間の素晴らしさも再認識した1ヶ月でした。


読んだ本の数:6

夜の国のクーパー (創元推理文庫)夜の国のクーパー
未読の伊坂作品がいよいよ少なくなり、猫がしゃべる?ファンタジー?とあまり乗り気でなく読み始めた作品。中盤から引き付けられ、時に、現実の戦争に想いを馳せた。巨大な国が小さな隣国に銃を向け、施政者は自分の保身しか考えない。戦争が一番怖いという伊坂さんが、10年前に書いた小説がキナ臭い今と重なる。しかし、登場する猫や鼠の会話は軽快で楽しく、素朴な国民たちには好感が待てる。最後の種明かしはスウィフトのかの有名な小説の挿し絵が目に浮かんだ。やはり伊坂幸太郎はおもしろい!
読了日:11月03日 著者:伊坂 幸太郎


ははがうまれる (福音館の単行本)ははがうまれる
親になったばかりの息子夫婦のためになにか役に立つかと思って読み始めた。しかし、著者の柔らかいものの見方は、とっくに子育てを終えた年代の心にも響く。孤独感疎外感を感じたときは「今はアウェイだから」と考える。「見張る」より「見守る」は、親子に限らず心がけたい。困難を前にしても、大人は答えを与えるのではなく、子供も一緒に解き方を考えていく。なにより私たち大人も、生まれて成長し続けている存在なのだ。
読了日:11月05日 著者:宮地 尚子


スコープ少年の不思議な旅スコープ少年の不思議な旅
読んだ方の書評に惹かれて飛びついた写真集。なるほど!経験したことのない世界だった。手のひらサイズの真鍮製の箱の中に作られた極小の部屋。それを小さな穴から覗き込む。光の当て方によって、朝になり、夕方になり、夜になる。全く異なった物語が始まる気配。格調高い文も添えられているが、ストーリーを想像するのは私の自由。いつまでも、いくらでも楽しめそうだ。
読了日:11月05日 著者:巖谷 國士,桑原 弘明


百年の家 (講談社の翻訳絵本)百年の家
1656年に建てられ、その後廃屋となっていた石造りの家が、1900年に再び人を迎える。繁栄、衰退、誕生、死、戦争・・と100年のできごとを家は静かに眺めている。丁寧に描かれた人々の暮らし、家の裏に広がる丘の土地の栄枯にも物語が感じられる。家畜たちの鳴き声も絵の中から聞こえてきそうだ。ああ、これが人の営みなのだなと感慨に耽った後、ふと、現実に舞い戻る。我が家はどんな歴史をたどるのか・・。
読了日:11月05日 著者:J.パトリック・ルイス,ロベルト・インノチェンティ


化物蠟燭化物蠟燭
江戸の市井の人々を描いているが、お人好しばかりののどかな話ではない。怪異談だが、どろどろと恐ろしいわけではない。木内昇さんに期待してしまう独特な世界が、この短編集にも描かれていた。哀しく切なく、しかし、どこかしっとりと温かい。心の闇と矜持を、なんとうまく描く作家だろう。
読了日:11月17日 著者:木内 昇


アームストロング: 宙飛ぶネズミの大冒険アームストロング: 宙飛ぶネズミの大冒険
子供の頃、テレビで見た月着陸の感動を思い出した。熱心なネズミ君の紆余曲折は、そのまま人類の宇宙開発の足跡をたどっている。いや!失礼!人より先だったのよね、ネズミのアームストロング君。そんな最後のオチが愉快だ。そして、描かれたネズミたちのなんと愛らしいこと!子供より、むしろ大人が熱くなる素敵な絵本だ。
読了日:11月21日 著者:トーベン クールマン