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2020年4月に読んだ本

読んだ本の数:3

今月はあまりたくさんの本は読めなかったけれど、どれも心に残る良書でした。3冊とも図書館で長い順番待ちの末に読めた人気の本。この3冊を最後に、コロナの影響で図書館が閉まりました。




ツナグ 想い人の心得ツナグ 想い人の心得感想
前作「ツナグ」で親友であった死者と再会したことで、唯一胸をえぐられるような衝撃を受けた嵐美佐。彼女の再登場、しかもその痛みを支えてくれそうな相手ができたことに安堵した。老歴史家の「自分の人生に意味があったのか」という必死の問いかけは、年を重ねるごとに自身も強く感じる。「母の心得」は子を亡くした激しい痛みに胸が締め付けられ、やがて立ち上がる強さに感動した。最後の2編、死者と再会することの意味、しないことの意味を思った。歩美のこれからに暖かい日差しが感じられた。
読了日:04月02日 著者:辻村 深月


占感想
今も昔も変わらず、不安や迷いを胸にすがる占い。千里眼・口寄せ・喰い師など様々な形の7つの短編が少しずつリンクしているのもおもしろかった。歩み出す道を決めるまでの葛藤は、回りからは滑稽にも見えるが、乱れる想いはどれも理解でき身に覚えがあるものも。古き日本の空気感も、木内昇さんの確かな文章も魅力的だった。自分の研究に没頭し家を省みない夫を持つ轍。べらんめぇでまくし立てる夫の話をなによりも面白がり、そこに自分への愛情を感じていた話が、迷える女性たちの間で光っていた。いいなぁ、そんな夫婦!
読了日:04月09日 著者:木内 昇


ライオンのおやつライオンのおやつ感想
瀬戸内海に浮かぶ島のホスピスが舞台。「死ぬ前に一番食べたいおやつは?」そんな大まかなあらすじから、この時期に読むのはちょっと辛いかなと身構えて読み始めたが危惧だった。死を迎える人々、それを送る人々の心に寄り添う記述はどれも胸に暖かく染みてきた。「いや、そんな生やさしいものじゃない」そんな反論はしないでほしい。安らぎを伴った旅立ち、残された人々を優しく照らす光。まだ経験していない死を、そういうものと信じていたい。
読了日:04月13日 著者:小川 糸