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犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

2019年10月に読んだ本

読んだ本の数:10
読んだページ数:1665

ショーン・タン、ヨシタケシンスケ、全く違った二人のイラストレーターによる作品に魅かれました。絵はもちろん、彼らの独特なそして柔らかい感性は大変魅力的で、これからも彼らの作品を見続けたいと思いました。

ライフライフ感想
「ひと」と同様に大きな出来事はあまり起きない。コンビニでバイトをしながら、ワンルームのアパートで暮らす井川幹太の日常を淡々とつづった物語。「ひと」の主人公同様、周りの人々を見る幹太の視線が温かい。大言壮語もしなければ、その暮らしぶりも地味で、若い女性にはモテないだろうなと思う。そんな幹太が、ほんの少しの触れ合いから、少しずつ控えめに周りの人々と繋がっていく過程が好ましい。彼の良さをわかってくれる女性や職場ときっといつか出会えると思う。小野寺史宜作品、またぜひ読みたい。
読了日:10月04日 著者:小野寺 史宜


夜の側に立つ夜の側に立つ感想
「ひと」「ライフ」と大きな事件は起きないけれど、淡々とした暮らしの中で真摯に生きることにスポットライトを当てるような作品が続いた。心地よく大好きだけれど、人間そればかりではないのでは・・と思っていたところに本作品。5人の高校生男女が40才になるまでの様々なエピソードが、時系列を不規則に飛びながら進む。暗い闇からの手が、もっとも牽かれ憧れすら感じる相手に向くということはあるかもしれない。君香の心情を同じ女性として思った。一番「黒」いのは彼女か?
読了日:10月11日 著者:小野寺 史宜


妻のトリセツ (講談社+α新書)妻のトリセツ (講談社+α新書)感想
読んだけれど、私はあまり変わらないと思う。夫が読んでくれたとしても夫は全く変わらないと思う。私の話はほぼ聞き流し、家事は一切しない夫。定年退職で毎日が日曜日なのに。パートとはいえ私は働いているのに。「晴れてきてよかったわね」と言えば「ちょっと雲が切れただけ、すぐ曇る」と答える夫。この本を読み「トリセツ」として役立てるより、「男性脳」「女性脳」で仕方ないと悟りの境地になる。一応仲良く40年過ごしてはきたし、せいぜい女友達との会話を楽しむからいいわ!という心境。息子世代の夫婦にこの本が役立つことを願う。
読了日:10月17日 著者:黒川 伊保子


きみののぞみはなんですか?きみののぞみはなんですか?感想
図書館の子供の部屋で手に取って、すぐにその場で読んだのに借りてきてしまった。あと10回くらい読みたくて。楽しくてかわいくて、しかし、どこか考えさせられる本。大きな木は、実はほんのわずかずつジワジワと歩いている。そうかもしれない。ヘビは好き嫌いを言わないいいヤツ・・かもしれない。
読了日:10月23日 著者:五味太郎


このあと どうしちゃおうこのあと どうしちゃおう感想
おじいちゃんが亡くなるまえに綴った「このあとどうしちゃおう」ノート。天国へ行くときの服装や持ち物、神様へのおみやげまで考えて、なんだか遠足に行くみたいで楽しい。生まれ変わったらなりたいものや、みんなを見守る方法を考えるのは楽しそう。でも、おじいちゃんは本当はどんな気持ちだったのだろうと考える孫はエライ。この子をまねて、私も「いきているあいだはどうしちゃおう」ノートを考えてみようかな。
読了日:10月23日 著者:ヨシタケ シンスケ


うめ婆行状記 (朝日文庫)うめ婆行状記 (朝日文庫)感想
町家から武家に嫁し、夫を亡くしたうめ48歳。子育ても終え孫もいる、その時代ならば大年増である。そのうめが様々なしがらみから逃れて始めた一人暮らし。静かな日々のはずが親戚縁者の騒動に巻き込まれ…という話だが、なにやら現代と同じように思えて仕方がない。清々した女の一人の暮らし、厄介だが拠り所ともなる親戚縁者との関わり、高齢期に差し掛かった自分の心持と重なる。「未完」の文字が悲しい。追悼の思いも込め、宇江佐さんに代わって思い描く。うめときく、ふたりは一膳めし屋、あるいは煮売り屋を開いて江戸の町で大評判となる。
読了日:10月24日 著者:宇江佐真理


イラストでわかる疲れないカラダの使い方図鑑イラストでわかる疲れないカラダの使い方図鑑感想
色々な動作の間違った形と正しい形が、見開きのイラストで示され大変わかりやすかった。ポイントは股の間にある座骨から背骨をたどった真上に、頭をふんわりのせるイメージ。腕の付け根は鎖骨というのも目から鱗だった。重い物を持ったり草むしりのようにかがむときも、前屈みになるのではなく、おしりをつき出すような形で上半身はそのまま下に落とすというのも覚えておきたい。
読了日:10月25日 著者:木野村朱美


遠い町から来た話遠い町から来た話感想
よい本に出会えた!一人の作家の作品と思えないような、様々なタッチの絵と話。それでいて共通する不思議でシュールで懐かしいような空気。これがショーン・タンらしさなのだろうか?彼の作品にさらに触れたくなった。目次や「遠くに降る雨」のような細かい仕事も魅力的だし、「エリック」「ぼくらの探検旅行」の最終ページのような大きな種明かしもうれしい。「葬送」の犬たちの仕草に惹き付けられ、「お祖父さんのお話」には感慨深いものがあった。とても魅力的な大人の絵本だ。
読了日:10月25日 著者:ショーン タン


Presents (双葉文庫)Presents (双葉文庫)感想
美しい装丁に魅かれて手に取った本。角田光代さんなら間違いはないだろうし。その思惑通り、12の短編も、松尾たいこさんの12の絵も、それぞれに読者に対するプレゼントのように温かく優しかった。人は生まれてから死ぬまで、たくさんの人から有形無形のプレゼントをもらう。それをプレゼントと感じて受け止めるか、あるいはまったく気づかずにすぎてしまうか、これはもらう側の心情次第だろう。プレゼントを享受できる豊かな心で暮らしたいと思った。
読了日:10月29日 著者:角田 光代


銭湯図解銭湯図解感想
最終ページまで行ってから、最初に戻って銭湯の金額を確かめた。これで本当に460円!?まるで観光地の温泉に行ったような、趣向を凝らしたいくつもの浴槽、ほとんどの銭湯がサウナや露天ぶろを備え、本当に心地よさそうだ。近くだったらぜひ行ってみたい銭湯がいくつもあった。中でも、黒湯には入ってみたいなぁと思った。精密な図解、人々のくつろいだ様子を見ているだけで、自分も湯船につかっているかのようにホカホカしてきた。
読了日:10月30日 著者:塩谷 歩波