今日もブログ日和

犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

2023年8月に読んだ本

スーパーブルームーンの前後合わせて3日間、何度か月を撮りました。

昨日の月の出直後、まるで卵の黄身のようなお月様に息をのみました。

写真ではそれほどでもありませんが・・(^^;)

 

ご無沙汰続きのブログ、8月はまぁ!行事が盛りだくさん!

仕事、親族の集まりの中、夜、眠る前の読書の時間が自分一人の嬉しい時間。

家族親族が仲良しで集まるのは喜ぶべきこととは思いながら、

本の世界に浸るこのときが至福の時間です。これがなくては!

 

読んだ本の数:9


紫式部ひとり語り (角川ソフィア文庫)

紫式部ひとり語り
以前、酒井順子さんの著書「平安ガールフレンズ」で定子中宮清少納言、彰子中宮紫式部の関係を知り興味深かった。本書は多くの資料をもとに、より事実に基づいた当時の宮中や女房たちの暮らしをうかがうことができる。一人称で語る紫式部の心情は、時代や立場が違っても女性として同感できることも多く、身近に感じられる。来年の大河ドラマが楽しみだが、あまり事実を曲げた恋物語になどならないことを願う。紫式部の娘はその後、どのような人生を送ったのかも知りたくなった。
読了日:08月01日 著者:山本 淳子


うまれることば、しぬことばうまれることば、しぬことば
ミーハー・セクシャルな発言もあり軽い部分もあったが、わかりやすくとてもおもしろかった。言葉は社会風潮の変化に連れ、どんどん変化していくもの。スマップの曲のように「そのままでいい」という風潮が広まり、おさえつけがなくなった分「自分らしさ」がわからなくなる。かつての「悩み」は「生きづらさ」となり、その原因を社会に求めることが多くなった。言い切ることを避け、「よう知らんけど」もそのひとつ。「よね」「だよ」などの性差を表す語尾も絶滅危惧種、など。「感動(勇気・元気など)をもらった」の言い方は避けたいなと思った。
読了日:08月03日 著者:酒井 順子


The Funny Little Woman (Picture Puffins)The Funny Little Woman
「おむすびコロリン」のように、団子が土間の穴に落ちていってしまう。(「土間」はearthen floor と言うのか!)穴に落ちた団子を追って「へんてこな小さいオバサン」(?)は、地蔵たちのもとを通り、そして鬼の住まいへと連れていかれる。魔法のパドルを使って鬼たちのために団子を作る日々、やがて、彼女は鬼の持ち物である魔法のパドルを持って我が家へと帰ってくる。そのお陰で、団子作りが容易になり、団子屋を開く。彼女は日本一の金持ちになりましたとさ。めでたし、めでたし。
読了日:08月05日 著者:Arlene Mosel


玄冶店の女 (幻冬舎文庫)玄冶店の女
難解な本や、深刻な内容の本を読むと、ふと市井物の小説に触れたくなる。宇江佐真理さんもそのひとり。予想通り、お玉をはじめとする玄冶店の女たちに、ほのぼのとした安らぎと、同時に、背筋の延びるような心意気を感じることができた。ひとつ、勘ぐってしまったことがある。心を寄せる青木の誘いを断り別れを選んだお玉に、おはんの「青木は労咳」という言葉は嘘ではないか。おまさ・お喜代・おゆり・年端もいかない小梅まで含め、お玉の背を押す女たちの優しい方便のような気がしてならない。深読みだろうかと、宇江佐さんに問えないのが残念だ。
読了日:08月09日 著者:宇江佐 真理


老人初心者の覚悟 (単行本)老人初心者の覚悟
タイトルにはちょっと騙されたかな、と思いつつも楽しく読んだ。同い年の阿川さん、大好きだった「サワコの朝」同様、明るく気取りがなく、まるで気のおけない友人とおしゃべりしているようだ。あとがきの最後、「2019年11月すがすがしい秋の晴天に包まれて」とあった。ああ!この直後、アレが始まったんだなと、この間の騒動に想いを馳せて本を閉じた。
読了日:08月14日 著者:阿川 佐和子


もりあがれ!タイダーン ヨシタケシンスケ対談集 (MOE BOOKS)もりあがれ!タイダーン ヨシタケシンスケ対談集
ああ!楽しかった!オープニングテーマで少し盛り上がり、シルバーの中表紙でさらにキラリと盛り上がり、その後はワクワクニヤニヤの連続。糸井重里さん、穂村弘さんをさらに好きになり、ヨシタケシンスケさんをいっそう身近に感じ、新たに知った作家さんたちの本を今すぐにも読みたくなり・・。結果、紹介されたかなりの本が図書館にあることを確認、そのうちの5冊を今、これから借りに行くところ。エンディングテーマで「少し落ちつけ、自分!」。絵本好きにはお勧めの1冊だ。
読了日:08月23日 著者:ヨシタケシンスケ


いぬいぬ
表紙裏の人と犬が連れだって歩くいくつものシルエット、それを見ただけで心が満たされた。ショーン・タンがあとがきで述べている。「この先地球にどんな運命が待ち受けていようと・・僕らの隣にはきっと犬がいて、前に進もうと僕らをいざなってくれるにちがいない。」種を越えたたぐいまれなパートナーである人と犬。その時の流れを描いた押さえた色彩が心地よい。明朝、犬との散歩が待ち遠しい。
読了日:08月23日 著者:ショーン・タン


闇は光の母 (3) ぼく (闇は光の母 3)闇は光の母 (3) ぼく
「ぼくはしんだ/じぶんでしんだ/ひとりでしんだ」そんな衝撃的な言葉で始まるあまりにも美しい絵本。なぜこんな絵本をという思いが、最後の「編集部より」の1ページで理解できた。軸足がまだこちらにある人は、もしかしたらこのページで思い止まってくれるかもしれない。でもそうでない人だったら・・。「ぼく」にとっては救いとなる「くるしくなかった/いたくなかった」の部分が背中を押しはしないかと気にかかる。著者の「生きる」と紙一重のようにも感じながら、「でも、生きてみようよ」と誰かに、そして、なにより自分にも声をかけたい。
読了日:08月24日 著者:谷川 俊太郎


木挽町のあだ討ち木挽町のあだ討ち感想
木挽町の芝居小屋で働く様々な職の人々が、仇討ちのために江戸へ出てきた若侍を助ける。武士・幇間隠元(火葬人)など鬱屈した過去を持つ人々の人情と人生観が胸を打つ。初めはまったくわからない謎を追う楽しみ、中盤からこうなのではという希望的憶測を抱き、そして最後には「やはり!」と安堵し、終始引き付けられっぱなしだった。おもしろい上に読後は幸福感に包まれるよい話だった。演劇や映像になったらよいと思う。初めて読んだ著者の他の作品を、さっそく取り寄せた。
読了日:08月28日 著者:永井 紗耶子