読んだ本の数:7
読んだページ数:1974
読んだページ数:1974
読書の秋、読みたい本は目白押しだが、目にも押し寄せる老化。
できるだけいつまでも本とおつきあいしたいので、いたわりつつ目薬を差しつつ続ける読書。
今月は以前読んだ本のスピンオフ版(みをつくし料理帖)やら、
子供だった主人公が高校生となり妻となり母となってからの話(なでし子物語)だったり、
懐かしい知り合いに再会したようで感慨深かった。
垣谷美雨さんの本、夫が読んでくれなかったのが残念!
定年オヤジ改造計画の感想
「女は母性本能があるからおむつのウンチも臭くない」をはじめ、すべての家事育児を「母性本能」任せにしてきた主人公。「母性の塊」と称して神格化していた亡き母が「子供嫌いのとんでもない母だった」と兄や姉たちから実像を暴かれるシーンがなんとも愉快だった。誤りに気付き、自分と同様の息子を鍛えなおす後半も痛快だった。「夫源病」を「普賢岳に関する病」と思っていた前半から、妻からの自立に目覚めるまで、こうはうまくはいくまいと思いながらもよい方向に向かう。イヤミでも箴言でもなく「読んでみて」と夫にも勧めた。面白いんだから。
読了日:10月04日 著者:垣谷美雨
花だより みをつくし料理帖 特別巻の感想
澪夫婦・野江夫婦・小松原夫婦、表し方は違うものの、それぞれの相手を思いやる気持ちが胸を熱くする。そして江戸の面々、とりわけ種市・りう、ふたりが達者でうれしかった。江戸と大阪、両方に住まう懐かしい友、いや、家族に再会できたような一冊。作者の願うように、私の心の中で皆これからも生き続けそうだ。
読了日:10月08日 著者:髙田郁
働かないの―れんげ荘物語の感想
一流企業での人間関係に疲弊し、仕事を辞め、折り合いの悪い母の家をも出たキョウコ。働かないので月10万円の暮らしだけれど、時間はタップリ。必要最小限の物の中で暮らしている。いいなぁ!憧れる!キョウコのようにはできないけれど、私にもまねできることがある。気になる問題や、ややこしい問題を自分から作らない。欲を出さない。人と比べない。これからのキョウコの暮らしも見てみたい。
読了日:10月14日 著者:群 ようこ
天の花 なでし子物語の感想
著者の意図には反するが、時系列に沿って「地の星」より先にこちらを読んだ。14才から18才までのヨウヨ、そして4才年下のリュウカ君の切ないような成長の日々。龍治も含めた3人の心に秘めた淋しさと、それゆえにともに過ごす時間の一瞬の輝きが眩しい。耀子の窮地を救ってくれた龍治。ヨウヨを奪われたリュウカ君には気の毒だけれど、この結末はいたしかたなかったね。と、思いつつ「地の星」へ。
読了日:10月18日 著者:伊吹 有喜
地の星 なでし子物語の感想
傾きかけた常夏荘で暮らす照子・耀子・瀬里の3代の女性たちの日々。スーパーでの勤務からやがて起業へ、耀子の暮らしは目まぐるしく動いていく。かつての家庭教師から受けた「自立と自律」「『どうして』より『どうしたら』」「やらまいか」の言葉の再登場に背筋が伸びる。青井先生はどうしていらっしゃるのだろう。耀子の思わぬ強さはもとより、照子や由香里の凛とした姿勢に惹かれる。あとは龍治と耀子の間に暖かい絆が深まりますように。でなければ、立海の心情があまりにも切ない。
読了日:10月21日 著者:伊吹 有喜
ぬけまいる (講談社文庫)の感想
ギリギリセーフ!今夕のNHKのドラマに追い越されずにすんだ!アラサー(昔だったら年増女?)3人組の江戸から伊勢への珍道中。それぞれの胸に秘めた鬱屈を、それなりに発散をして江戸へと戻っていくようだ。徒歩で東海道を歩いている経験と重ねて読む旅の風景も興味深かった。ドラマもきっとおもしろいことだろう。
読了日:10月27日 著者:朝井 まかて
天国の本屋 (新潮文庫)の感想
あらすじはともかく、絵本のような装丁と絵の優しい柔らかなタッチに癒された。朗読とか、読み聞かせとかもいいものかもしれない。活字を目で追うばかりでなく、心地よいトーンのお話を聴いてみたくなった。
読了日:10月30日 著者:松久 淳,田中 渉