今日もブログ日和

犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

2018年3月に読んだ本

読んだ本の数:5
読んだページ数:920

あきない世傳 金と銀(五) 転流篇 (時代小説文庫)あきない世傳 金と銀(五) 転流篇 (時代小説文庫)感想
様々な困難をひとつひとつ乗り越えて、江戸店へと夫婦そろって船出かと思いきや、智蔵の身に病魔が・・・。予想された展開とはいえ切ない。幸の知恵と商才が物語の核なのだろうが、あまりにも老練な言葉に、時々24才の女性とは思えないところがある。これでもかという不幸はほどほどに、夫婦と律儀な奉公人たちが商売の荒波を越えていく次回作を期待したい。
読了日:03月28日 著者:髙田郁


朝が来る朝が来る感想
中学生で母親となったひかり。その両親と、ひかりの赤ちゃんを養子縁組で迎えた栗原夫妻、二組の夫婦のあり方を思う。世間体や自分達の定めた型に、我が子をはめ込もうとするひかりの両親は、もっともありがちな親の姿のような気がする。栗原夫妻の真っ直ぐで寛容な心は、小説の中だからと思うものの、そちらの側の人でありたいと思う。小さな「おかあちゃん」ひかりに朝が来るようにと願いながら読み終えた。
読了日:03月22日 著者:辻村 深月


犬 (中公文庫)犬 (中公文庫)感想
昭和29年に出版された本の、クラフト・エヴィング商會による再編集版。川端康成幸田文志賀直哉林芙美子伊藤整・徳川夢聲・・・そうそうたる文豪らの犬への思いが詰まっている。同時に当時の世相も窺われ面白かった。人と犬の距離感や関係、「ゆっくり犬」も指摘する通り、今は近寄りすぎ・人間と混同し過ぎと愛犬家を自負する私も感じている。当時の、主従関係のハッキリした人と犬との関係に潔いものも感じたり。とはいえ、いつの時代もよき友だったのだなぁ、犬という生き物は。川端康成の愛犬家ぶりがほほえましかった。
読了日:03月20日 著者:幸田文,川端康成,志賀直哉,伊藤整,長谷川如是閑,網野菊,林芙美子,阿部知二,徳川夢聲

つむじ風食堂と僕 (ちくまプリマー新書)つむじ風食堂と僕 (ちくまプリマー新書)感想
君たちはどう生きるか」と同じ!と何度も思った。12歳のリツ君がコペル君と重なる。コペル君と違って、月舟町・桜川町のたくさんの「叔父さん」を得たリツ君の前に、道しるべはあっちにもこっちにも向いている。賢いリツ君のことだからいつか自分らしい道を見つけ出してくれることだろう。「子供たちに一つだけ伝えるとしたら何を?」という「ちくまプリマ―新書」創刊のコンセプトをあとがきで知り納得。私も「はじめ」に戻ってみよう。吉田篤弘さんの本は素直な気持ちにしてくれる。果物屋のお兄さんと、オレンジを前に話してみたいなぁ。
読了日:03月07日 著者:吉田 篤弘


レインコートを着た犬レインコートを着た犬感想
月舟町シリーズ3部作完結編。月舟シネマの犬ジャンゴが語り手になり「我輩は犬である」的に犬目線で、月舟町の愛すべき人々の心をのぞきこんでいる。生きることに不器用かもしれないが、登場人物のだれもが魅力的だ。また、ジャンゴの妄想の中で交わされる、秋田犬「テツ君」との会話がなんとも愉快。最後には「レインコートを着る犬」に成り下がって(成り上がって?)しまったジャンゴとテツ君。レインコートを拒んだ我が家の先代犬を思い出す。我が家の現役犬ははたしてレインコートを着るだろうか?完結編まで楽しめた。いよいよ番外編へ!
読了日:03月05日 著者:吉田 篤弘