テレビでトランプ大統領と取り巻きの官僚たちの映像を見ました。
お世辞タラタラ、感謝の言葉。なんじゃ、こりゃ!
自分に不利な人間はどんどん切り捨て、まるでどこかの国の誰かさんみたい。
今更ながら困り者です。
で、そんな気分を一新して、こちらは私の「はまり物」。
図書館でふと見つけた本。小川洋子さんだから借りてきたのだけど・・・

共著の「クラフト・エヴィング商會」って?
と、思いながら読んでいくとまぁ面白いこと。
文学作品の中に出てくる5つの不思議なものを取り寄せるお話。
「注文書」「納品書」「受領書」の3部構成で、
クラフト・エヴィング商會が不思議な写真と文で応えています。
これまでに見たことのない、そして心地よい雰囲気。
はっきり実態がつかめぬまま、Amazonで4冊購入してしまいました。




「口車」「先輩風」「思う壺」「どさくさ」「おかんむり」・・・
それらを絵と文で示してくれる、いわば商品カタログ。
私は「左うちわ」を注文したいなぁ!
夫には「相槌」を。大中小の相槌を使いこなしてもらおう。
センスのいいユーモアというか、上質の大人のジョークというか。
1ページに3回くらいクスッと笑ってしまいます。
そして、次に読んだのが「じつは、わたくしこういうものです」
これは今度は「人」です。様々な職業の人へのインタビューと写真。
「月光密売人」「三色巻紙配達人」「警鐘人」「時間管理人」・・・
中でも私は「ひらめきランプ交換人」「沈黙先生」が好き!
って、そんな職業あったっけ?
これも架空の職業です。でも、「ああ、あるかも・・・」と思えてしまう。
こちらはクスクスではなくて、ホワ~ッとほほ笑んでしまう。
なんだか穏やか~な優しい楽しい気持ちになってしまう。
本が来てから、この3日間、
いつも見る近所の景色がより一層きれいに見えます。
毎日の家事もどれもこれも順調にはかどるし、
仕事だって全然苦じゃなく楽しいし・・・
心に響く音楽に出会ったとき、素敵な人に出会ったとき、
思わぬ美しい景色に触れたとき、感動的な映画を見たとき、
そういうときと同じように、胸がホッコリしています。
あとがきにこんな言葉がありました。
「いっとき架空に遊んでいただき、最後は、お気をつけて現実にお帰りください。」