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映画「舟を編む」

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舟を編む」の映画を見てきました。
予想以上になかなかよい映画でした。
松田龍平さん演じる馬締君の不器用な一生懸命さもよかったし、
オダギリ・ジョーさん演じる西岡、チャラ男の影のあたたかい人間性も魅力的でした。
そして、枯れ木のような老国語学者加藤剛さんの純粋な情熱にも惹きつけられました。
そして、辞書編纂の作業の想像以上の大変さを見て、
帰りに寄った書店では並んでいる辞書に最敬礼したいような気分でした。
 
監督に石井裕也さん、1983年生まれとお若いのに、
人間のさりげないよい部分を描くのがうまいと思いました。
登場する女性たちが、皆あまりおしゃべりでなく無愛想なのに素敵。
香具矢さんあての馬締君のラブレターが出しっぱなしなのを見て丁寧にしまう佐々木さん。
松本先生の死に辞書の編纂が間に合わず涙する馬締君の背中を黙ってなぜる香具矢さん。
「言葉は大切」という映画なのに、無言のさりげない動作が言葉を越えるシーンに、
監督のキメの細かい人柄を感じました。
アラ!ネタバレでした。ごめんなさい。
 
市松模様のパンフレットを買ってきました。
いつもは買わないのだけど、映画中の辞書「大渡海」の紙でできているというし、
現存する辞書の語釈を比較しているというのでそこだけでも読みたくて。
「恋」「言葉」「仕事」の3つの言葉の語釈が書かれていました。
 
ちょっと面白かったので「恋」のページの中のいくつかを紹介します。
 
広辞苑・・・一緒に生活できない人や亡くなった人に強くひかれて、切なく思うこと。
集英社国語辞典・・・異性に思いを寄せること。
旺文社国語辞典・・・特定の異性に強く引かれ、慕う気持ち。
学研現代国語辞典・・・(男女間で)相手を自分のものにしたいと思う愛情をいだくこと。
明鏡国語辞典・・・特定の異性(まれに同性)を強く慕うこと。切なくなるほど好きになること。
新明解国語辞典・・・特定の異性に強い愛情をいだき、その存在が身近に感じられるときは、
            他のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感・充足感に酔って
            心が高揚する一方、破局を恐れての不安と焦燥に駆られる心的状態。
 
同じ言葉でも辞書によってこんなに違います。
唯一明鏡だけにあった「まれに同性」というただし書きも興味深いし、
新明解は身を焦がすような恋の経験者が語釈を書いたのかしら。(*^_^*)
地味ですが、お勧めの映画です。