朝5時過ぎ、美しい日の出の空を見上げながら長い1日が始まりました。
昨夜遅く家を出て、朝、舞い戻ってきた長男と彼女。
長男は手料理(「カフェどんぶり」のようなものですが)を作ってふるまうのが好きです。
さっそくキッチンへ入ってきた長男に母の言葉が飛びかかります。
「昨夜はどこにいた?」「彼女は家に帰っているのか?」「食事は自室ではなくLDで」
さらに「食事をごちそうになろうという家の家族とはもっとコンタクトを取るべきだ」。
怪訝そうな長男に「こういう母は古いか?」に、
「少し古いかも・・・」という長男の返事で母は切れました。
家に5,6回は来ている彼女の声は「おじゃまします」「おじゃましました」しか聞いていません。
顔もはっきりとは見ていないなぁ。いつもス~ッと通り抜けて長男の部屋へ。
むくれて何も作らず自室に戻った長男に、
母のカフェどんぶり+サイドメニュー+飲み物をトレイに乗せて届けました。
たぶんこちらもむくれて、やけのやんぱちで。
そして私は友人宅の新盆のお参りに出かけてしまいました。
笑われること必至ですが、息子しかいない母の夢がありました。
「会ってほしい人がいる」そう言って息子が連れてきたワンピース姿のお嬢さん。
「ワンピース」「お嬢さん」ここ重要です。いかにも清楚で、少し緊張しています。
手にはお土産の菓子箱。もちろん玄関に上がってキチンと靴はそろえます。
「いらっしゃい!いつも息子がお世話になって・・・。お夕飯召し上がっていってね。」と私。
きれいな箸使いで食事をした後、「お母様、片付けお手伝いさせてください。」とキッチンへ。
「お母様」だって!この子が息子のお嫁さん!?と夫と見かわすうれしい目と目。
娘ができたようにうれしくて、ああこの子を大事にしよう!な~んてね。
そんなことにはならないだろうな~。第一そんなお嬢さんに釣り合う息子に育てられなかった。
友人宅から戻り、次はジョンのお墓参り。
2年前の終戦の日未明、ジョンは私の腕の中で16年の犬生を終え神に召されました。
愛しい愛しいジョン。本当にいい子だったジョン。今でも涙が出る。
動物霊園でしばしジョンの写真を撫でてきました。
そしてその足で夫の実家へ。庭で20人を超すバーベキューパーティーです。
さて、全員ビックリのハプニングはこの場で起きました。
長兄(今年還暦)が「みんなに会ってほしい人がいる。」と!!!!!
この長兄、30年前に私たちと同時に「結婚したい」と言ったのですが、
跡取りということもあり、気難しい祖母の一喝で望むお相手と結婚できませんでした。
四男の夫は「どうぞご自由に」ということで。ホッ。
一流大卒・一流企業とエリートコースまっしぐらの長兄にお見合い話は降るようにありましたが、
どれも首を縦に振らず今年60歳になろうとしています。
その長兄がワンピース姿の清楚な美人を連れてきたのです。しかも20歳下。
青天の霹靂でした。お付き合いして20年になるとか。
年の差があり結婚に踏み切れなかったとか。
60と40なら全く問題なしですよ~お兄さん!
その彼女の素晴らしいこと!全員が彼女の大ファンになってしまいました。
美しくしっとりと落ち着いた、知的でかつかわいい人です。
「お手伝いさせてください」とキッチンにも入ってきてくれました。
「また来てください!」「これからもよろしく!」と全員に名残惜しく見送られて帰って行きました。
わが長男よ!これだよっ!
40歳のふるまいを20歳そこそこの娘さんにまねろと言ってもかわいそうなことですが、
相手の家族とうまくやりたい、この心づかいがほしいのです。
お母さんが彼女を気に入るように、彼女がお母さんを気に入るように、
間でうまく取り持つのはあなたがするべきことでは・・・と今度は冷静に話すと、
長男も素直に聞き入っていました。
「今日は食後、お母さんが出かけてしまってきちんとお礼が言えなくて残念だった。
くれぐれもよろしくと言っていた。今度はもっと話す。」と息子が伝えた彼女の言葉。
まぁ、素直にそのまま受け取っておきましょう。
長兄に大切な女性がいたということがみなとっても嬉しくて浮かれてしまいました。
希望者11人で夜の温泉に繰り出し、家に帰ったのは1時を回っていました。
長い長い1日でした。