東京大空襲
63年前の今夜、13才の母は浅草の自宅から着の身着のまま逃げ出しました。
もしも、そのとき母の上に焼夷弾が落ちたら、燃えさかる火に飲み込まれたら、
焼け落ちた建物の下敷きになったら、私、いなかったんだ・・・
歴史上の出来事のように思ってしまう「今夜」が、
急に身近なものに感じられ恐ろしくなりました。
テレビに映し出された石川光陽さんが撮られた写真。
焼けこげた人々の姿もショッキングでしたが、
顔立ちがハッキリわかる人々の無念の表情にいっそう胸が詰まりました。
昼間、母に電話で「今夜のテレビ見る?それとも見たくない。」と尋ねると、
「もう随分年月がたったからね・・・大丈夫、見るつもり。」という返事でした。
13才だった母も76才。
私は母から聞いたことのあるわずかな話を、息子に話しました。
63年前の今夜、亡くなられた方達のご冥福を祈ります。