江戸の「初もの」がからんだ謎の事件を人情味あふれる茂七親分が謎解きしていきます。
実家の近くの回向院、なじみのある場所が舞台であるのも手伝って、
このシリーズの江戸の市井の人々の暮らしには、ずっと浸っていたいような心地よさを感じます。
この本に登場する白魚・鰹・柿・桜餅・菜飯など旬の食べ物にも心惹かれます。おいしそう!
最後まで解き明かしてくれなかった謎の「稲荷寿司屋の親父」がとても気になります。
それにしても、宮部みゆきはうまい!!文章に無駄も不足もありません。
彼女の現代物も評価が高いのに、私はなかなか「江戸」から離れられないのですが、
ゆっくりと1冊1冊読んでいきたい作家です。