中高生の頃、毎晩のように聞いていた深夜放送。
それは単にラジオ番組というだけでなく、当時の若者の文化の重要な担い手でした。
その中でも大好きだった「カメちゃん」。
ニッポン放送の元社長亀淵昭信さんのオールナイトニッポンが、昨夜放送されました。
カメちゃんは35年前と全く変わらぬ楽しく柔らかな語り口でした。
「ミセス・ロビンソン」「パフ」「カム・トギャザー」「今日までそして明日から」と、
かかる曲も懐かしい曲ばかりでした。
当時、番組中でカメちゃんは訴えました。
「リクエストハガキはいらないから外務省に『ビアフラへ余剰米を送って!』と手紙を出してほしい」
たくさんの手紙に外務省が動き出し、お米をビアフラへ送ることになりました。
当時の深夜放送と若者の関係やその力を示すいい例です。
番組は、当時のリクエストハガキをたどって、
50代になったリスナーをカメちゃんが訪ねるというものでした。
皆、若い頃の柔らかな感性を持ち続け、今のお仕事を精一杯なさっています。
自分もがんばっているつもりではいましたが、まだまだ・・・と、
頬をたたかれたような思いのする3人の元リスナーの素晴らしい「今」を聞くことができました。
その中の、小学校の先生になられた方のお話が心に残りました。
今の若者だって冷めている訳じゃない。
昔の若者は「熱くなる」ことがかっこよいと思われたのが、
今は「冷めている」ことがかっこいいと思われているだけ。
何かを投げかけてあげる人がいればいいんです。大人の責任です。
3人の元リスナーが異口同音におっしゃっていたように、
私も「当時は良かったけれど、今だって悪くない」と思っています。
でも、昨日放送を聞いていた1時間、あの頃に無性に戻りたくなりました。