今日は私の最年長の生徒みゆきさんの卒業式。
みゆきさんは42才、この春から大学・高校・中学生になる3人のお子さんのお母さんです。
バイクで日本1周とか、自宅のログハウスの仕上げや、家具づくりまでしてしまう、
バイタリティあふれる、でも実は泣き虫の可愛いらしいお母さんです。
今日は最後の勉強をした後、ステキなお店でお昼をごちそうになりました。
二人だけの卒業式と謝恩会というところでしょうか。
みゆきさんが我が家にやってきたのは3年前のことでした。
一番上の子が高校に入った時です。
みゆきさんの3人のお子さんは塾に行ったことがありません。
リビングの大きなテーブルが勉強机。
そこへ子どもたちは集まってそれぞれ勉強します。
みゆきさんは子どもがわからないときだけ、いっしょに勉強を見てあげていました。
ところが、子どもと共に見てきた教科書が、高校生になると当然難しくなってきました。
もはやここまで・・・と思ったものの、彼女は高校の英語に歯が立たないのが悔しく、
なんとか理解できないものかと、共通の友人を介して我が家にやってきました。
お子さんの高校は進学校で、英語の教科書も結構難しいものでした。
なにより、基本的な文型や文法を覚えるための中学の教科書と違い、
高校のリーダーは読み物的な要素が強く、内容が濃く、読解力を要します。
パートでお仕事をしているみゆきさんは月2回、時間を割いて我が家に来ました。
毎回、教科書を1課ずつ和訳してきます。
一生懸命辞書を引き、きちんとまとまった日本語にしてくるのは、
仕事の合い間、家事の合間に大変なことだったと思います。
しかし、本当に彼女は一生懸命で、和訳の力もメキメキ上がっていきました。
夏休みの宿題のサブリーダーも、毎年みゆきさんはがんばりました。
去年は「ジキルとハイド」を英語で読みきりました。
彼女は、だれよりも熱心な生徒でした。
リーダーに取り上げられる題材は多岐に渡り、
科学的なもの、歴史的なもの、文学的なもの、楽しいもの、考えさせられるもの、
私もおかげで色々なことを知り、色々な本に出逢えました。
前にここで取り上げた「人生の必要なことはすべて幼稚園の砂場で学んだ」もそうです。
最後の今日は、オー・ヘンリーの「After Twenty Years」。
私が高校の時もリーダーにも出ていた、最後にふさわしいお話です。
20年後ではなく、もっと近い再会を約束して別れました。(^^)
「勉強しなさい!」とお尻をたたくお母さんはいっぱいいるでしょうが、
自分も負けずに勉強に通っちゃったお母さん、みゆきさん。
子どもたちにステキな後ろ姿を見せられたのではないでしょうか。