読売新聞夕刊の記事です。
先月亡くなられた詩人の茨木のり子さんが生前に書かれた死亡通知が、
今、交流のあった人に届いているそうです。
死亡の日付と病名だけ空欄で印刷し、甥御さんに託していたものです。
素晴らしい「死亡通知」なので、読んでみてください。
このたび私06年2月17日にクモ膜下出血にて
この世におさらばすることになりました。
これは生前に書き置くものです。
私の意志で、葬儀・お別れ会は何もいたしません。
この家も当分の間、無人となりますゆえ、
弔慰の品は、お花を含め、いっさいお送り下さいませんように。
返礼の無礼を重ねるだけと存じますので。
「あの人も逝ったか」と一瞬、たったの一瞬、
思い出してくださればそれで十分でございます。
あなたさまから頂いた長年にわたるあたたかなおつきあいは、
見えざる宝石のように、私の胸にしまわれ、
光芒を放ち、私の人生をどれほど豊かにして下さいましたことか・・・。
深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に代えさせていただきます。
「倚りかからず」に続く、茨木のり子さんの傑作と呼んではいけないでしょうか?
いいなぁ、この潔さ!私もこれで行こう!
この文をそのままコピーして、私も使わせていただきたいほどです。
「あなたさまから頂いた・・・」の後3行なんか本当にそのとおり!
と思いつつ、でも・・・
やっぱり友達に集まってもらって、涙で送ってほしいかな~。
ビートルズの「イン・マイ・ライフ」をBGMにかけてさぁ・・・
凡庸な私はそうも思ってしまうのでした。