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「戦場の犬たち・母さん、ボクも帰りたかった」

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第二次世界大戦中、ドイツをはじめヨーロッパの国々では、
たくさんの軍用犬が使われていました。
後にアメリカ軍でも軍用犬を使うようになり、
ベトナム戦争では4000頭の犬たちが従軍しました。
その中で本国に帰還したのはわずか200頭足らずでした。
最前線で兵士達を命がけで助けた彼らは軍の「備品」として処分(薬殺)されたのでした。
そんな軍用犬たちの写真集です。

今日、ラジオでこの本の話を聞き、
バックに「悲惨な戦争」が流れたときは涙が止まりませんでした。
さっそく本屋さんに行き買ってきました。

歩哨犬・偵察犬・伝令犬・地雷犬・・・彼らはある意味スペシャリストでした。
山の上まで駆け上り、背中の伝書鳩を飛ばす。そんな仕事までこなしました。
激しい戦闘の中を駆け抜けて、補給の銃弾を届けたりもしました。

人はもちろん、犬であっても、戦争で命を亡くすようなことがあってはいけない、
どこにも戦争のない世界を私達は作らなければ・・・
そんな平和へのメッセージを感じるとともに、
犬という動物の素晴らしさ愛らしさを改めて感じさせる写真集でした。

犬を見る兵士達の目は一様に優しく、犬たちの目は皆誇らしげでした。
犬たちは自分のハンドラー(犬を扱う兵士)といれば、恐れも感じません。
写真は今まさにハンドラーと共に輸送機から飛び降りようとしている犬です。
人間を信頼し、恐怖も緊張感も表情には見られません。

それにしても・・・
犬たちにこんな仕事はさせてはいけません。

軍用犬の多くはジャーマン・シェパードでした。
私は子どもの時から、いつも犬といっしょでしたが、
その中でもシェパードのサムはずば抜けて賢い犬でした。
サムの穏やかな顔を思い出しました。

その後、多くのハンドラーが抗議の声を上げ、
2000年、退役後の軍用犬は母国に帰れるよう法律が改正されました。