今日もブログ日和

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2022年8月に読んだ本

色々と忙しいことが重なり、あまり数は読めなかったけれど、

しみじみと浸ったり考えさせられる本ばかりでした。

9月はしばらく「間取り図」を眺める本から始まりそうです。(^_^)

 

読んだ本の数:8

どうぶつにふくをきせてはいけませんどうぶつにふくをきせてはいけません
図書館でタイトルに惹かれて立ち読み。色々な動物の「服を着せてはいけない」理由とその絵が愉快でかわいくて何度も吹き出してしまった。子供にもうけるだろうが、大人だってなんとなく気分がブルーなとき、ぜひおすすめの絵本だ!
読了日:08月05日 著者:ジュディ バレット


母の待つ里母の待つ里
浅田次郎さんにまた、夢を見させてもらった。読んでいる間ずっと、私も鄙びた里の母を訪ねる「娘」だった。ちよさんの語るひとことひとことに背中を撫でてもらっているような・・。ひとときのふるさとと母を、大枚50万円で買うというとっぴな発想。いつかそこに綻びや世知辛いシーンが露見するのではと予想したが、危惧だった。都会と過疎の村、年老いた温かな母と、母を慕う孤独な中高年たち。村の風景、協力する隣人たち、そしてなにより母の心尽くしの料理と昔話。最後の切ないストーリーも含めて、粛々と生きる勇気を与えられた。
読了日:08月06日 著者:浅田 次郎


いるいないみらい (角川文庫)いるいないみらい
子供がいる・いないにかかわる短編集。次男の子供がもうすぐ生まれる。長男は不妊治療中で人工受精を繰り返している。『無花果のレジデンス』を読んで切なくなった。生まれたときのかわいさ愛しさを思い出し、四十路に入った長男を抱き締めたくなった。いやいや、どちらの家庭も遠くから見守るのみ。『金木犀のベランダ』、「すでに持っているものの幸せに気づかないことも、時にはあるわね」節子さんの言葉がいい。『私は子供が大嫌い』、うん、わかる!孫の写真をLINEで友に送るようなことはけっしてすまい。(^.^)
読了日:08月07日 著者:窪 美澄


あなたは、誰かの大切な人あなたは、誰かの大切な人
優しくも逞しい女性が登場する短編集。「波打ち際のふたり」の女性同士の友情、「皿の上の孤独」の男女の同志の友情が特によかった。人を大切にできる人は自分も大切にできると思う。
読了日:08月08日 著者:原田 マハ


マイクロスパイ・アンサンブルマイクロスパイ・アンサンブル
猪苗代湖畔で開かれたイベントで配布された小冊子7年分をまとめた作品。イベント参加者として読めたなら、さらに楽しかったことだろう。いつもの伊坂作品とはちょっと違った寓話というか、お伽噺というか。カマドウマを調べてみた。見かけることはあるが、これは確かにギョッとする。
読了日:08月12日 著者:伊坂 幸太郎


すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険
医学書ではなく身体や医療に関する読みやすい読み物。足の重さは10kg、腕の重さは5kgなどヘ~ッ!ということから、病原菌や治療法の発見など興味深い内容が多かった。「血液型は全く知っていなくていい」「うがいは水でいい」「消毒液もあまり必要ない」など、常識を覆されおもしろかった。身体機能の精密さに感心し「すばらしい人体」のタイトルにおおいに納得する!
読了日:08月20日 著者:山本 健人


江戸落語事始 たらふくつるてん (中公文庫 お 82-4)江戸落語事始 たらふくつるてん
京から江戸に下り、江戸落語の始祖となった鹿野武左衛門。その波乱に富んだ人生をたぶん虚実入り混ぜているのだろうがとても楽しく読んだ。「面白きは面白き」を追求する武平本人だけでなく絵師仲間の流宣・師重・朝湖それぞれが魅力的で、彼らの描いた浮世絵も見てみたい。今も聞く落語の題材となっている咄も多く、落語好きには嬉しい。すぐにも寄席に行きたくなった。江戸から京へ戻った武平の「べらんめぇ、でんがな」最後の落ちに拍手!
読了日:08月24日 著者:奥山 景布子


降霊会の夜降霊会の夜
降霊会というおどろおどろしい舞台だが、戦争の傷跡、そしてその後の繁栄がもたらした昭和を覗き見るようだった。キヨのように河川敷のバラックに暮らす同級生がいた。ニコヨンも覚えている。東京オリンピック前後の東京の変化、ロックアウトされた大学、同時に仲間とのにぎやかな日々。浅田さんと同時代を過ごした私には、全てが記憶に繋がる。しかしキヨ一家は切なすぎる。「当たり屋」は時々耳にしたが、我が子を・・。父親の心理は描かれてはいたが、戦争に責任転嫁はしたくない。「彼の弱さ」と思ってしまうのは、戦争を知らないからだろうか。
読了日:08月31日 著者:浅田 次郎