今日もブログ日和

犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

2021年12月に読んだ本

2021年、何冊読めたかなと数えてみたら143冊でした。

私の三大好きな物、犬・本・料理。

その料理に対する関心が味覚の障害でそがれた分、一気に読書に向かいました。

食べること・料理することを諦めた穴を読書で塞いだ・・とも言えるかな。

新しい年も好きな本をたくさん読みたいと思います。

 

読んだ本の数:7


ばにらさまばにらさま感想
初めての山本文緒さんを図書館に予約し、順番が来る前にその訃報を知った。様々な女性の心を描いた6編の短編。「バヨリン心中」は短いが鮮やかな映画を見るようだった。「子供おばさん」は一番心に残った。共感・肯定・同調で成り立っている女友達。確かにそうかもしれない。それがたまらなく心地よいのだもの。でも、それ以外のものも友との関係の中に見つけ出していきたい。そうも思った。亡き友から託された犬がもとで暮らしが変った主人公に「正解だったね」と心で声をかけながら、私に寄り添うゴールデンレトリバーを抱きしめた。
読了日:12月06日 著者:山本 文緒


フーガはユーガフーガはユーガ感想
これまで読んできた伊坂幸太郎さんの作品の中でもなんだか一番切ない。普通なら重い場面でも、どこかクスッと笑えたのが伊坂作品なのに、これはただただ切ない。風我には幸せな家庭ができたように、優我にもいい思いをさせてあげたかった。
読了日:12月07日 著者:伊坂 幸太郎


赤ひげ診療譚 (新潮文庫)赤ひげ診療譚 (新潮文庫)感想
遊学後の保本登が小石川療養所で医師新出去定のもと成長していく。去定は乱暴狼藉をはたらいた者に怒りぶちまけた後で、彼らの悪行の根元は貧しさや恵まれぬ境遇であったと反省する。登はそれに疑問を感じながらも、市井の人々の暮らしに触れ、医学にできることできないことを学んでいく。病を治すのは本人の生命力であるとしながら、その手助けに励む療養所の医師たちの姿勢に胸が打たれる。
読了日:12月15日 著者:山本 周五郎


それでも空は青いそれでも空は青い感想
「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫という解説を見て「うちのこと?」と思って読んでみた。ああ、そう来たか・・思わぬSFだった。「ダブルトラブルギャンブル」で思わず「フーガはユーガ」とダブったか、こちらの双子は何となく明るい結末でホッとした。親しみのない野球の話題が多く、ついていききれないところもあったが、まぁ色々な人生があるのだろうなということで・・。
読了日:12月18日 著者:荻原 浩


夏井いつきの超カンタン! 俳句塾夏井いつきの超カンタン! 俳句塾感想
ひとつ言葉を変えるだけで句のイメージが大きく変わり、味わい深いものになることが添削例を見ながらよくわかった。感情を表す言葉は入れず、そのときの気持ちにふさわしい季語を選ぶ。あれもこれも入れようとせず削りおとすことが大切、など教えられたことが多い。あまり評判のよくない、茂木健一郎さんとの対談部分は、俳句初心者としてはモチベーションを高められ、私はとても参考になった。
読了日:12月19日 著者:夏井 いつき


ぼく モグラ キツネ 馬ぼく モグラ キツネ 馬感想
モノクロのラフな絵にときどき淡い色彩がつき、目にも心にも優しい大人の絵本。「一番の時間の無駄は、自分と誰かを比べること」と言うモグラ。「一番勇敢な言葉は『たすけて』」と言う馬。「一番強かったのは弱みを見せることができたとき」とも馬は言う。「一番の思い違いは完璧じゃないといけないと思うこと」ともモグラは言う。無言のキツネは、いっしょにいることだけで満足しているようだ。あっという間に読めてしまう絵本の含蓄は深い。
読了日:12月29日 著者:チャーリー・マッケジー


幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF 341)幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF 341)感想
以前とは違う翻訳者で再読。初めて読んだときはスケールの大きさとストーリーに圧倒されるばかりだったが、実に奥深い小説だ。オーバーロードの出現で戦争も宗教間のいざこざもなくなり、だれもが暮らしていくには不自由のない生活になった。にもかかわらず、アテネのコロニーにはオーバーロード出現以前の暮らしを求める人々が集まっている。管理された便利だけが幸せではないと、今の時代の私たちにも共通する思いではないか。やがて地球の終焉。オーバーマインドの狙いは何なのか?再読してこその疑問が深まった、今年最後の読書だった。
読了日:12月31日 著者:アーサー C.クラーク