今日もブログ日和

犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

2021年1月に読んだ本

手術の後遺症で味覚に障害が出ています。ほとんどの調味料を苦みとして感じます。

幸い素材の味やうま味はなぜかよくわかるので、味をつけずに食べています。

したがってこれまでの料理する楽しみ、食べる楽しみを失ってしまいました。

時間がかかってもいつか回復することを信じてはいるのですが・・・

ということで私の3大楽しみ「犬・食・本」の比重が変わりました。

犬とは相変わらず常にじゃれ合っています。

「食」への飽くことなき執念(^-^;が「本」へと移らざるを得なくなりました。

というか、「本」があってよかった!救われています。

 

今月は「安野光雅さん追悼再読月間」。7冊読みました。

そして、コロナと自身の体調のせいで外出ははばかられ、

Amazonで入手した数冊以外はこれまで途中で放り出した本8冊に再度挑戦。

出会ったときはなにかに心ひかれた本、改めて読んでみるとどれもかなりいいです。

しばらく「本棚見直し運動」を続けようと思います。

 

 

読んだ本の数:22

おふろやさん (こどものとも傑作集)おふろやさん (こどものとも傑作集)感想
実家の前がお風呂やさんで、家にお風呂があったのに大きなお風呂に入りたくてよく行った。はしゃぐ子供たち、それを叱るおじいさん。今はあまり見かけなそうな懐かしい光景が嬉しい。竹でできた脱衣かご、赤ちゃんを寝かせる台、お風呂やさんの前にまで広がるほのぼのゆったりした空気が懐かしい。石鹸箱で泡を作ったり、ブリキの金魚で遊んだり、あっちゃんは私?と思ってしまった。
読了日:01月06日 著者:西村 繁男  


走らないのになぜ「ご馳走」?: NHK 気になることば (新潮文庫)走らないのになぜ「ご馳走」?: NHK 気になることば (新潮文庫)感想
言葉の由来から正誤、敬語についてなどたくさんの知識を得た。また、方言のなんとも愛すべき表現に、方言を使える地域が羨ましくもなった。と思ったら、東京を含む関東一円の方言も見つかった。「かたす」は標準語と思っていた!言い慣れた言葉の認識の違いに家庭内でも違いがあって驚いた。「○○がなくからかえろ」を私は「カエル」夫は「カラス」、ホチキスの中身を私は「はり」夫は「たま」。楽しい読書だった。
読了日:01月06日 著者: 


「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉感想
鬼滅の刃」は本も映画も見ていないし、関心もあまりないのだが、夢中になっている長男夫婦へのプレゼントとして購入。言葉の部分だけ読んでみた。52の言葉はその状況の時に言われたら、きっと心に響き勇気づけられることだろう。手術を終えて退院した私としては「誰かに守られ助けられ今生きているんだ」がぴったりだった。
読了日:01月06日 著者:藤寺郁光


戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)戸村飯店 青春100連発 (文春文庫)感想
激しく感動したわけでもなく、ましてや悲しいわけでもないのに、最後の数ページはじんわり涙がにじんだ。とても面白い上にいいお話だった。ヘイスケもコウスケもいい青年だ。男兄弟はこういう気持ちがあるかもしれないなと、自身のふたりの弟たちのこと、ふたりの息子たちのことを思った。それにしてもヘイスケに望郷の念をわかせたウルフルズの曲、たくさんの名曲の中のどれだったのだろう?「笑えれば」かな?
読了日:01月07日 著者:瀬尾 まいこ


フィルム (講談社文庫)フィルム (講談社文庫)感想
放送作家で、テレビやラジオのおしゃべりでも興味深かった小山薫堂さんはどんな文章を書くのかと手に取った。主役がクリエイティブな職業の男性であり、東京・酒・おしゃれなレストラン・・などの設定が多く、自分とは全く違う世界を垣間見た思いだ。「フィルム」「鎌倉の午後3時」「セレンディップの奇跡」「ラブ・イズ・・」は情景や人物の表情までが目に浮かび、ショートフィルムを見るようだった。小山薫堂さんの文は簡潔で読みやすかった。
読了日:01月09日 著者:小山 薫堂


旅屋おかえり (集英社文庫)旅屋おかえり (集英社文庫)感想
大人気の「本日はお日柄もよく」を読んで、原田マハさんは私にはあまり合わないかなと思っていた。その後ずっと積読本だったこの本を読んで、その思いを改めた。なんて素敵な、心暖まる、そして楽しいお話だろう!登場人物の誰もが魅力的だった。原田マハさん、他の作品も読んでみようと思う。
読了日:01月10日 著者:原田 マハ


小林清親 東京名所図 (謎解き浮世絵叢書)小林清親 東京名所図 (謎解き浮世絵叢書)感想
10年ほど前に、NHKで放送された小林清親の特集を見て購入した本の再読。番組を見たとき、ガス灯の光にすっかり魅せられてしまった。明治初期の東京の激しい変貌が、提灯・石油ランプ、そしてガス灯と、灯りを大切なアイテムとして描かれている。その時代に暮らしたわけでもないのに妙に懐かしい。江戸の風情も残しながら、新しい時代を迎えようとする人々の息吹も感じられる。描かれた場所の現代の写真・古地図・現代の地図が載せられているのも、馴染みのある地名ばかりなので嬉しかった。
読了日:01月11日 著者:

 
民王 (文春文庫)民王 (文春文庫)感想
父親と息子の意識が入れ替わる、奇想天外な展開ながら、後半、泰山の言葉にも翔の言葉にも胸を打たれた。胸がすく!実にカッコいい!「おとなになろうぜ、みんな!」自分自身にはもちろんのこと、今の日本になによりもかけたい言葉だ。
読了日:01月13日 著者:池井戸 潤


星を賣る店星を賣る店感想
心地よいクラフト・エヴィング商會のお仕事の集大成のような本。色々な作品に登場する品々に再会できるのが嬉しい。週刊ブックレビューのおしゃれなタイトルバックも懐かしい。装丁された教科書を見て、こんな教科書ならページを開きたくなるなと思った。クラフト・エヴィング商會吉田篤弘さんの未読本を探したり、装丁を見るだけで読んでみたくなる他の方の本に出会ったり、魅力がつきない。お客さまの声で意外な交遊関係を知ったりもした。私にとって大切にしまっておきたくなる宝物のような1冊だ。
読了日:01月13日 著者:クラフト・エヴィング商會


旅の絵本 (安野光雅の絵本)旅の絵本 (安野光雅の絵本)感想
大好きな安野光雅さんの訃報を聞き驚いた。ご冥福を祈りながら再読。細かく描かれた優しい色彩のなかに、馬にまたがった旅人はじめ隠し絵の一つ一つを探すのが本当に楽しい。赤ずきんちゃんやイソップの犬に出会ったり、「晩鐘」を思わせる人々を見かけたりするのも嬉しい。働く人々の声や子供たちの歓声まで聞こえてきそうだ。村から町へそしてまた海へ。旅人と共にいつまでも旅を続けたい。安野さん、天国の旅もお楽しみください。
読了日:01月17日 著者:安野光雅 


ざっそうの名前 (福音館の科学シリーズ)ざっそうの名前 (福音館の科学シリーズ)感想
雑草がすべて刺繍で表されているのがなんともあたたかくて素晴らしい。写真でもなく、絵でもなく、こんな素敵な表現方法があったのか!ていねいな刺繍に使われている美しい草花の色もホッとする。庭や犬の散歩道で出会う雑草もたくさんあったが名前は知らないものが多かった。おもしろい名前はもちろん、なんだかかわいそうな名前、由来が気になる名前などが数多くあった。雑草が身近になり愛おしくなった。太郎くんとおじいちゃんのお話も含めて、よい絵本に出会えたと思う。
読了日:01月17日 著者:長尾 玲子


旅の絵本 (2) (日本傑作絵本シリーズ)旅の絵本 (2) (日本傑作絵本シリーズ)感想
安野光雅さん追悼再読第2段はイタリア偏。1冊目の「中部ヨーロッパ偏」同様、いたるところに嬉しい隠し絵があった。3匹の子ブタとその家があったり、アリババと40人の盗賊のひとりが軒先に×印を描いていたり、最後の晩餐やキリスト生誕と思われる馬屋まである。そして人々の様子が生き生きとしていて、自分も絵の中を旅しているような気になってしまう。海へこぎ出す旅人を馬がちょっと淋しそうに見送っている最後の絵もよかった。
読了日:01月18日 著者:安野 光雅


田園発 港行き自転車 上 (集英社文庫)田園発 港行き自転車 上 (集英社文庫)感想
登場人物が多く、この人が主人公か?いやこの人か?と中盤までわからなかった。読んでいくうちにすべての人の繋がりか少しずつ見えてきて、下巻に進むのが楽しみになってきた。宮本輝さんの風景描写は丁寧で、行ったことのない富山湾に面した町や港や田園の風景が目に浮かぶようだった。人物描写も興味深く、その時その時でそれぞれの人に寄り添ってしまう。ふみ弥さんがどう関わっているのかが早く知りたい。
読了日:01月19日 著者:宮本 輝


旅の絵本3 (安野光雅の絵本)旅の絵本3 (安野光雅の絵本)感想
安野光雅さん追悼再読第3段は「イギリス偏」。ジャックと豆の木ビートルズネッシー、プーさん、シェークスピアの場面など、今回も隠し絵が満載だった。そしてそれ以上に嬉しかったのが、外壁に木の梁が見られる建物の美しいこと!イギリスに行きたい!運河の水を水門で調節して進むナロウボートのページを見て、そう、これに乗ってイギリスの田園を旅をしたいと思っていたのだ。お土産にもらったHARRODSの紅茶缶に貯めたお金、大分貯まったけれど、コロナ!どうしてくれるの!?
読了日:01月20日 著者:安野 光雅


田園発 港行き自転車 下 (集英社文庫)田園発 港行き自転車 下 (集英社文庫)感想
ひたむきに自分の場所で生きる登場人物たち、その誰もが主役であると思った。彼らが心の支えとしてきた言葉をいくつか目にした。雪子が大切にしているエミリ・ディキンスンの詩「もし私が一人の生命の苦しみをやわらげ、一人の苦痛をさますことことができるなら、気を失った駒鳥を巣にもどすことができるなら、私の生きるのは無駄ではない」がいい。感動的な再会かと思ったラストだが、淡々と過ぎたことがむしろさわやかだった。
読了日:01月22日 著者:宮本 輝


旅の絵本4 (安野光雅の絵本)旅の絵本4 (安野光雅の絵本)感想
安野光雅さん追悼再読第4段はアメリカ偏。スーバーマン・ウェストサイドストリー・オズの魔法使いセサミストリートスヌーピー・・・様々な隠し絵を見つけながら、アメリカの歴史をたどるようで楽しい。アメリカというと大都会ばかり思い浮かべるが、驚くような古い光景をテレビなとで見かけることがある。この絵本のような町並みや暮らしが、まだどこかにあるかもしれない。大統領が変わりよきアメリカとなることを、ページをめくりながら願ってしまった。
読了日:01月23日 著者:安野光雅

 
蝉しぐれ (文春文庫)蝉しぐれ (文春文庫)感想
15才の少年藩士文四郎のたゆまない精進、思慮深さ、ふたりの友との変わらぬ友情、そして淡い恋心の展開に引き込まれた。しかし、もっとも印象に残ったのは最終章、おふくの言葉や行動に胸打たれるものがあった。「これで思い残すことはありません」というふくの言葉に、何か引きずるものを胸に抱えた文四郎に引き換え、凛とした女心が強く感じられた。
読了日:01月27日 著者:藤沢 周平


旅の絵本6 (安野光雅の絵本)旅の絵本6 (安野光雅の絵本)感想
安野光雅さん追悼再読第5段は「デンマーク偏」。アンデルセンの作品は結構知っているようで、それはほんの一部だった。後ろに載せられた解説でその多さを知った。これまでのように絵をじっくり見て隠し絵を探すのではなく、解説を読んでからその絵を探した。それはそれで楽しいような、これまでの方がワクワクしたような。アンデルセン童話を読んでみようかと思う。
読了日:01月28日 著者:安野 光雅


図書館の神様 (ちくま文庫)図書館の神様 (ちくま文庫)感想
垣内君のような高校生がいるだろうか?いや、いないな。やっぱり垣内君は図書館を居とする神様に違いない。清く正しく生きるあまり悲しいできごとを体験してしまった清。正反対の人間となってしまった清は、垣内君との会話や文学に癒され新たな道を歩みだす。先生と生徒が逆のようではあるが。垣内君のように、理屈でなく夢中になれるものを持つ人は強い。拓実もなかなかいいが、浅井のような人とは関わりたくない。「さぶ」を読んでみようかという気になった。
読了日:01月28日 著者:瀬尾 まいこ


旅の絵本8 (安野光雅の絵本)旅の絵本8 (安野光雅の絵本)感想
安野光雅さん追悼再読第6段はいよいよ「日本偏」。日本各地の風景や、懐かしい行事などが描かれ、これまでとはまた違う感慨深い1冊だった。「電気のなかったころのこと」の文を読み、エネルギーの変遷に思いを馳せ、電力に頼りきっている生活を反省した。絵の中に、子供のころ見たことのある手動式の脱穀機を見つけた。当時でさえすでに不要のものだったかもしれないが、少し前の人たちは確かに電気に頼らない暮らしをしていたことを実感した。もう電気なしの暮らしは考えられないが、そういう時代のことを忘れずに暮らしたい。
読了日:01月29日 著者:安野 光雅


大志の歌―童話の学校 校歌・寮歌大志の歌―童話の学校 校歌・寮歌感想
安野光雅さん追悼再読第7段は「大志の歌」。「大志の歌の祭り」に集まった様々な生き物の校歌・寮歌・応援歌などを綴った本。校章もデザインし、まるでその生き物になったような安野さんの歌詞が見事。校名やタイトルだけでもクスッとしてしまう。「茨城県筑波山村蛾蟇(がま)小学校校歌」「小川村立めだか小学校校歌」「西表村立西表山猫小学校校歌」「境港市立鯖高校伝承歌鯖節」「都立墨田泥鰌高校駒形寮寮歌」「熊本県仙波山私立狸化学専門学校校歌」「大台ヶ原村立梟定時制高等学校校歌」。細かい隅々まで安野さんの遊び心満載の1冊だった。
読了日:01月30日 著者:安野 光雅


じい散歩じい散歩感想
話の最後では、94才になってひとり93才の妻の介護をする新平。引きこもりの長男、「長女」となった次男、借金まみれの三男という設定も凄いが、そんな息子がひとりくらいいる家庭は珍しくないかもしれない。ひとり「建姉」こと「建二」が気がきいているようだが、妻英子の記述がなんだか気の毒なようだ。なにかよいところもあったのでは?そんな夫婦だが、新平は自分の暮らしを楽しもうとしている。老境に向かい自分もこのようにありたいと思う。新平が訪ねた建築物は魅力的で、特に「明日館」はコロナが収まったら一度行ってみたいものだ。
読了日:01月31日 著者:藤野 千夜