今日もブログ日和

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2020年10月に読んだ本

読んだ本の数:5

今月は、ふと気持ちが沈みがちな時に、いっとき避難できる本の世界があることが、いつにもましてありがたく感じられました。

優しい音楽<新装版> (双葉文庫)優しい音楽<新装版> (双葉文庫)感想
どれもあり得ない設定、しかもミステリアスだったり、イライラしたりの始まりなのに、最後はきちんと優しい場所に話が収まる。いつもながらの瀬尾まいこさん。今、日本中を覆っている閉塞感の中、瀬尾まいこワールドでほっとひと休みしたくなる。自分とは違った価値観の人ともこんな風にうまく繋がれるのかな?ほんのちょっぴりそんな希望を感じた。
読了日:10月06日 著者:瀬尾 まいこ


天国はまだ遠く (新潮文庫)天国はまだ遠く (新潮文庫)感想
自身のこと。これまで病気ひとつせず元気いっぱい過ごしてきたのが、2日前に死ぬかもしれない病が見つかった。本を買ったのはその数日前。知らなかったとはいえ、なんというタイトルの本を選んだのだろう!天国だって、そんなはずないが、地獄だって私にはまだまだ遠いのだ!病と戦うぞ!そう思いながら読み終えた。瀬尾さんの実体験に基づいた、田舎暮らしの真実味のある描写がいい。力強くさらりとした田村さんがいい。そして、どんな事情があれ、生きられる人が命を絶つのはよくない。がんばれ、千鶴!
読了日:10月08日 著者:瀬尾 まいこ


黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続感想
表題作の「黒武御神火御殿」の恐ろしさに、その前の3話が頭から飛んでしまった。怪しい屋敷に捕らわれの身となった甚三郎・お秋たち6人の運命もさることながら、駆け出しの聞き手富次郎の心の動揺に引きつけられた。先代のおちかはなんという苦しい仕事をしてきたのだろう。富次郎のまっすぐな心根と、頼りないながらも着実に成長しているのが感じられ、これからが楽しみになった。おしげさんの言葉「身に覚えのあることもあれば、気づかぬうちにしでかしている悪事もあるかもしれません」確かに。
読了日:10月17日 著者:宮部 みゆき


過ぎ去りし王国の城 (角川文庫)過ぎ去りし王国の城 (角川文庫)感想
さすがの宮部みゆきさん、最後まで気を削がれることなくドキドキしながら読み終えた。シンちゃん、タマちゃん、パクさんに激しく感情移入して、いじめっこバカップルにどうか天罰を!と願ってしまったが、そんな安易な結末を用意しないのも宮部さんらしい。読後、池澤春奈さんの解説を読み、「可能ならば現状を変えたいか?」と自分に問うてみた。変えたいこともあるけれど、やはりこのままで・・・が答えかな。明るい伊音ちゃんの笑顔を思い浮かべながら本を閉じた。
読了日:10月23日 著者:宮部 みゆき


飛ぶ教室 (講談社文庫)飛ぶ教室 (講談社文庫)感想
マルチンの「泣くこと厳禁」の葛藤、ウリーの皆に認められたい思い、ジョーニ―の辛い生い立ち、随所に切ないエピソード満載だったが、同時にどこにも温かい手が差し伸べられていた。ベク先生・食いしん坊のマチアス・船長兄妹・・・。正義先生と禁煙さんの友情と再会には5人の少年たちの行動があってこそのもの。こんな風にどこかで助け合える社会であってほしい。「賢さを伴わぬ勇気は野蛮であり、勇気を伴わない賢さなど何の役にも立たない」覚えておきたい言葉だ。
読了日:10月28日 著者:エーリッヒ ケストナー