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2020年6月に読んだ本

読んだ本の数:5

 

思えば、最近読む本は圧倒的に女性作家のものが多い。介護問題など同性の視線から描かれたものに共感するものが多いのか。ヨシタケシンスケさんの絵本は子供ではなく大人向け。コロナ騒動で不安な気持ちや、うつむきがちな心を、シンプルな絵と言葉で慰められる人は多いことだろう。



銀の猫 (文春文庫)銀の猫 (文春文庫)感想
江戸を舞台にした介抱人お咲の物語。介抱はもう一人誰かが支えてくれれば乗り越えられる。死期を迎えた人に「頑張って」ではなく「そばにいるから安心して逝きなさい」と心で語りかける。現代の介護や看とりにそのまま通じる。介抱される側からする側へと立場を変え、生き生きと活躍するおぶんさんが痛快だった。朝井まかてさん、いつもながら爽やかで力強い読後感を残してくれた。
読了日:06月03日 著者:朝井 まかて


さよならの儀式さよならの儀式感想
好きな作家宮部みゆきさんの異色な短編集。はじめの5作品まではその発想の豊かさに驚き、SFタッチの展開をワクワクしながら楽しめた。6作目「聖痕」でそのリアルさに胸が苦しくなり、最後の2作品で訳がわからなくなった。それでも次々新境地に取り組む宮部さんはすばらしい。新作の時代物が早く読みたくなった。
読了日:06月07日 著者:宮部みゆき


藪医 ふらここ堂 (講談社文庫)藪医 ふらここ堂 (講談社文庫)感想
実は名医の藪医者三哲。薬をやたらと飲ませたり、すぐに医者に診せようとする親批判には納得。近所のお亀婆さんとお安のコンビも魅力的だった。お亀婆さんの言葉がいい。「人間は正と邪の間をふらここ(ブランコ)のように揺れながら生きている。さんざん揺れながら、己で選んで踏み出すしかない時がある。で、しくじったらその始末は己で引き受ける。その繰り返しさ。」お亀婆さんと、一本気で情に厚いお安に見守られおゆんと次郎助もよい夫婦となることだろう。
読了日:06月19日 著者:朝井 まかて


ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)感想
事件前の「ふみちゃん」がかっこいい!ひとつひとつの行動に、「ぼく」と同様に憧れる。それだけに心を閉ざした彼女が痛々しい。「人は自分のためにしか泣けない」そうかもしれないと思いつつ、そうではない経験も思い出す。命を懸けて犯人の心に立ち向かう「ぼく」、そしてそれを支える「秋先生」ふたりの言動に心を奪われた。命とは、悪とは、大きな課題を残された作品だった。
読了日:06月21日 著者:辻村 深月


もしものせかいもしものせかい感想
大切な人や物が「もしものせかい」に行ってしまったとき、小さくなってしまった「いつものせかい」の上でつらそうに立っている絵が印象的。「でも、ちいさくなったいつものせかいは、そのうちまたゆっくりゆっくりふくらんでくる」むずかしいことばを使わずに優しく勇気づけてくれる絵本。
読了日:06月25日 著者:ヨシタケシンスケ