今日もブログ日和

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2020年3月に読んだ本

読んだ本の数:6
読んだページ数:1731

コロナで出かけられないから、こんな時こそ読書三昧・・・と思った割に6冊どまり。不動の浅田次郎さん、吉田篤弘さん。マニアの友人からどんどん来るので読まざるを得ない東野圭吾さん。森絵都さんは相変わらず温かく爽やかで、最近出会えた木内昇(のぼり)さんは「宝物発見!」の想い。川村元気さんはう~んちょっと・・・。今日から新年度、読書に年度も何もないけれど、さぁ!何を読もうかな!図書館は予約した人だけに、入り口でまるで秘密結社のように本を手渡される状況。書架の間をウキウキ歩き回れる日が早く来ますように。



悪意 (講談社文庫)悪意 (講談社文庫)感想
「最後のどんでん返し」と言われているが、それほどでも・・・というか、そんなことが動機にとちょっと拍子抜けした。それよりも加賀恭一郎が教壇を下りたいきさつの方が胸に迫った。
読了日:03月02日 著者:東野 圭吾


百花百花感想
認知症になり息子のことさえ忘れていく母親。中学時代、恋人の元に去った母に、1年間置き去りにされた経験のある息子。最後の日々、ふたりの気持ちがぎこちなく交差していく。母親の百合子はもとより、息子の泉にも感情移入できずに読み終えた。作者が自分には合わなかっただけだろうが、なんだか違うのではないかという感想だけが残った。
読了日:03月07日 著者:川村 元気


百鼠 (ちくま文庫)百鼠 (ちくま文庫)感想
江戸時代、きらびやかな色を纏うことを禁じられた粋人たちが、鼠色に極彩色を一滴落としてできた様々な鼠色。桜鼠、藍鼠、銀鼠、薄雲鼠、利休鼠・・百の鼠色として今に残されたその心意気こそ、朗読鼠の心意気。その一節が心に残る。かすかに色づいた鼠色の雲に、ふわっと包まれたような短編集だった。
読了日:03月12日 著者:吉田 篤弘


カラフル (文春文庫)カラフル (文春文庫)感想
「せいぜい数十年の人生。長めのホームステイと思って好きにすごせばいい。」という天使プラプラの言葉。「たった一色だと思うものが、角度次第ではどんな色だって見えてくる。」と気づいた、一度は自殺した中学生真。出口が見つからずに鬱々としている若者に読んでもらいたい本。そう思いながら、そんな時代をはるか昔に通りすぎた私にも爽やかな読後感を残してくれるよい作品だった。
読了日:03月15日 著者:森 絵都


霧笛荘夜話 新装版 (角川文庫)霧笛荘夜話 新装版 (角川文庫)感想
運河沿いに建ち、暗く湿った霧笛荘。大家は陰気な老婆、住人たちも皆わけありで、大好きな浅田作品とはいえ読むのをちょっと躊躇していた。しかし、各話それぞれの闇の向こうには、頼りないが確実な灯りが見えていた。銭金ではない。運不運でもない。6人の住人たちと老婆は幸せだったのかもしれない。鉄男・カオル・キャプテンが好きだ。読後感のよい作品だった。
読了日:03月16日 著者:浅田 次郎


茗荷谷の猫 (文春文庫)茗荷谷の猫 (文春文庫)感想
幕末から昭和中期まで、市井の人々が各々の願いに打ち込む姿を描いた連作短編集。染井吉野を苦難の末に作り上げた男と、隠されたその偉業を世に伝えたかった妻。戦場に消えた映画監督志望の天真爛漫な若者。妻を欺いてまで浪曲士になりたかった役所勤めの男。「てのひら」の主人公は憧れ自慢だった母親の至らぬ点ばかりが、大人になってみると目について苦しむ。母娘にありがちな話かもしれない。それぞれの話の願い叶わぬ人々が、微妙に絡み合うのが興味深かった。明るい作品ではないが、しんみりと身に染みた。
読了日:03月21日 著者:木内 昇