今日もブログ日和

犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

2020年1月に読んだ本

読んだ本の数:6

旅猫リポート旅猫リポート感想
図書館の企画した「本の闇鍋」でタイトルもわからず出会った本。タイトルがわからなくてよかった。完全犬派の私としては、「猫」が表紙に踊る本など手にしなかったことだろう。最後の数ページ、文字が見えないほど泣いた。人と猫、そして人と人との結びつきに。しかも、ベタベタしておらずどこかサラッとした表現に、読後も爽やかな感動が残った。絶対犬が好きだけれど、猫もいいもんだなとちょっと思った。
読了日:01月08日 著者:有川 浩


Hello LighthouseHello Lighthouse感想
なんと美しい本だろう!海面の表し方がこれまでに見たことのないような手法で、額に入れて飾っておきたいように魅力的だった。今や機械で自動的に守られている海の安全も、かつてはこうして人の手によって守られていたのだということを改めて思った。
読了日:01月08日 著者:Sophie Blackall


おんなのことば (童話屋の詩文庫)おんなのことば (童話屋の詩文庫)感想
市原悦子さんの一周忌記念番組で、彼女が好きな詩として「わたしが一番きれいだったとき」が紹介されていたのを見て再読。「自分の感受性くらい自分で守ればかものよ」の一節に背筋が伸びる思いで身近に置いていた本だった。再読してみれば、その厳しさと同時に、まっすぐにものを見る、あたたかく柔らかな茨木さんの眼差しをより強く感じた。「しいん」とした湖を心に持ち、感情のやせっぽちにならないよう、そしてなによりゆっくり考えながら歩みたいと思った。
読了日:01月14日 著者:茨木 のり子


シーソーモンスター (単行本)シーソーモンスター (単行本)感想
「螺旋プロジェクト」の原始から近世は省き、明治時代を舞台にした「蒼色の大地」、第二次世界大戦中の「コイコワレ」、そして昭和バブル期の「シーソーモンスター」と読んできたが、海山の対立もいよいよ佳境に入ってきた感じがした。おもしろかった。宮子さんと姑のせつさんがどちらも強く爽快でカッコいい。近未来の「スピンモンスター」では、ネットやAIが社会に危機をもたらし始めるが、現実もそういう時代になりつつあるのでは?という恐怖も覚えた。平成の「死にがいを求めて生きているの」が楽しみになってきた。
読了日:01月15日 著者:伊坂 幸太郎


死にがいを求めて生きているの死にがいを求めて生きているの感想
全く相反する幼馴染みふたりが青年になるまでの物語。朝井リョウの繊細な心理描写により、海族山族の対立が現実味を帯び身近に感じられてきた。なんとなく馬が合わないとか、訳もわからず不快感を抱いてしまう人というのはいる。相容れなくても、相手を傷つけたり貶めたりせずに共存できないものか?他者への貢献にも、自己実現にも、生きがいを見いだせない者が一番辛いという雄介の言葉も重い。競争の存在意義なども含め、考えさせられることが多かった。智也、がんばれ!と思いながら、いよいよ螺旋プロジェクト最終巻へ。
読了日:01月19日 著者:朝井 リョウ


台所のラジオ (ハルキ文庫)台所のラジオ (ハルキ文庫)感想
いつもながらの居心地のよい吉田篤弘ワールドに、ラジオからの静かな女性の声と、おいしそうな食べ物や飲み物の匂いが流れる。大きな出来事は起きないが、どの登場人物にもそっと寄り添いたくなる。登場人物が「ぼんやりした性格」と自己評価する場面が何度か出てきたが、むしろ、そういう性格に魅力を感じてしまう。ふんわりと穏やかな気持ちになり、程よい元気が出る短編集。読み終えるまでに、紙カツを揚げ、ミルクコーヒーを淹れ、きつねうどんを作ってしまった。
読了日:01月31日 著者:吉田 篤弘