今日もブログ日和

犬・本・料理大好き!節約しながらエンジョイシニアライフ♪

2019年8月に読んだ本

暑い暑い8月も終わり、いよいよ読書の秋。

私にとっての本はサプリメントのようなもの。

現実を離れて別世界に浸りたいときの伊坂幸太郎東野圭吾

背筋を伸ばしたいときの浅田次郎朝井まかて

ふんわり優しい気持ちになりたいときの瀬尾まいこ

友とのおしゃべりのように共感したいときの垣谷美雨

心地よい空気の中で心身を休めたいときの吉田篤弘

そして、とにかくいつでもの宮部みゆき北村薫

他の方のブログを通じて、新しいお気に入りにも出会えたらいいなぁ!

 

読んだ本の数:9


フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫)フィンガーボウルの話のつづき (新潮文庫)感想
吉田篤弘さんの本1冊1冊がそうであるように、この短編集もしっくりくる話と、失礼ながら「ん!なんだかよくわからないんだけど・・」の話があった。しかしながら、どの本も、どの短編も心地よく、定期的に浸ってみたくなる空気感がある。もう、吉田篤弘中毒なのかもしれない。
読了日:08月03日 著者:吉田 篤弘


紙魚家崩壊 九つの謎 (講談社文庫)紙魚家崩壊 九つの謎 (講談社文庫)感想
「新釈おとぎはなし」を読んでいると、誰よりも作者北村薫さんが楽しみながら書かれたのではないかと想像してしまう。おもしろかった。「白い朝」の朝の町や家庭の描写が、子供の頃の記憶そのままで懐かしく、ストーリーもほのぼのと爽やかでよかった。「俺の席」そう、ある!ある!ジムでいつも自分がいる場所に誰かがいると内心ムカッとするもの、と思って読んでいくと最後はさらに不穏な空気に・・。 いつもの北村さんとはまた違ったタイプだが、いつも通りきめこまやかな北村さんらしい文章だった。
読了日:08月15日 著者:北村 薫


70歳のたしなみ70歳のたしなみ感想
大変参考になり勇気付けられる言葉が多かった。「かわいいおばあちゃんを目指さない」「意識して上機嫌に振る舞う」心がけたいと思う。少し先の老後を考える方によい指針となることだろう。しかしながら、70才もそう遠くない間近にせまり、すでに年金生活が始まった者としては、ちょっとひねくれた見方もしてしまう。「1年の生活費は年金+100万円もあればなんとかなる」(100万円「も」ですか!?)「外食もある」「報酬を払って週1回掃除に来てもらう」・・。蓄えが豊富ならばね。
読了日:08月15日 著者:坂東 眞理子


生きる (日本傑作絵本シリーズ)生きる (日本傑作絵本シリーズ)感想
谷川俊太郎さんの有名な詩「生きる」をもとに描かれた絵本。岡本よしろうさんの自然体の絵が優しい。絵の中のひとりひとり、セミや金魚や犬や草木まで含めて、それぞれの「生きる」ことに思いを馳せてしまう。想像が広がり、同じページをいつまでも見ていたくなる。泣くことも怒ることも生きていることの一部。心がざわざわするときに、この本を開くと、穏やかなそよ風が吹いてくるかもしれない。
読了日:08月18日 著者:谷川 俊太郎


クリスマスを探偵とクリスマスを探偵と感想
伊坂幸太郎作品であるということを忘れてしまいそうだった。オー・ヘンリーの短編をかと思うようなストーリーと、ローテンブルクの街を描いた絵。ひととき猛暑の日本を離れて楽しむことができた。「物事は解釈の仕方によってさまざまな姿を見せる」それが「こじつけ」であっても。そんな余裕を心のどこかに持っていたいものだ。
読了日:08月19日 著者:伊坂幸太郎


サブマリンサブマリン感想
奇想天外な言動で周りを振り回しながら、陰で熱く優しい行動をとっている陣内が格好良すぎる。上司・夫・友人だったらちょっと困るかもしれないが。陣内とうまく付き合っている武藤・永瀬夫妻は実に魅力的だ。被害者であったり加害者であったり、またその両方である少年たちの葛藤が強く伝わってきた。地下鉄の男をはじめ、人の命を奪おうという動機は、意外と小さなほころびから生じているのかもしれない。犯人を抹殺するのではなく、かけ違ったボタンを正すためにタイムマシンがあったらなぁと夢のようなことを思った。
読了日:08月23日 著者:伊坂 幸太郎


あずかりやさん (一般書)あずかりやさん (一般書)感想
心優しい盲目の店主が、何でも1日100円で預かってくれるあずかりやさん。店主を取り囲む物や猫の視線でふんわりとした物語が進む。大人の童話という印象だった。捨てるわけにはいかないけれど、ちょっとそばから離しておきたいもの、私だったら何を預かってもらうだろう 。大切な人からなのに、あまり趣味に合わない頂き物。いつかもう一度読みたいと思いながら、開くことのない本。妬みそねみ、自己顕示欲・・。1日100円ではあずかりやさんの割りに合わないかな。
読了日:08月26日 著者:大山 淳子


傑作はまだ傑作はまだ感想
主人公の作家は、恋人でもない女性との間にできてしまった子供とは、養育費を送る以外何の接点もなかった。そこに突然現われた25歳の息子は、引きこもりで人と没交渉の父とは正反対の人づきあいのうまい憎めない性格だった。父の暮らしを変えていく息子。相変わらずのあり得ないストーリー展開、いつものごとく善人ばかり。でも、いいじゃないの!温かい物語で読後幸せになる。人と共に生きる暮らしは、軋轢も生まれ傷つくことも多く、相手の気持ちを慮って不安になったりもする。しかし、代償として得るものはなんと計り知れないことか!
読了日:08月30日 著者:瀬尾まいこ


月下の恋人 (光文社文庫)月下の恋人 (光文社文庫)感想
11編の短編集でそれぞれの話は短い。にもかかわらず、まるで長編小説を読んでいるように次々とその世界にすっぽりと浸ってしまう。どうしようもない情念や、夢か現か、あるいは時をさ迷い出たのか、読者側に判断を委ねられたような作品もある。内容はさまざまなのに、どの作品からも芳醇な香りが漂ってくる。淺田作品を読める贅沢さをこの短編集からも感じた。
読了日:08月31日 著者:浅田 次郎